「会津山塩」皆さんは聞いたことがあるだろうか? 福島県の会津には 塩にまつわる伝説があるので 少し紹介しよう。
会津山塩とは?
会津山塩は海塩ではありません。
弘仁年間(810~824)のこと、この地を訪れた弘法大師(空海)が老婆の家に泊まりました。山深い里で、塩がないため難儀している様子をあわれんだ大師は、護摩を焚き何事かを一心に願い込むのでした。すると17日目、ついに岩が割れ塩泉が湧き出しました。
――新編会津風土記より――
やがて村では 塩分を含む温泉水を原料にして 塩がつくられるようになったという。
中でも北塩原村では 一時期塩づくりがとても盛んで 江戸時代には この温泉水から塩を作り 会津藩に納められていた。当時 山国会津では塩はたいへん貴重で 藩の専売になってをり 明治時代には皇室にも献上されていた。
しかし 1905年から政府が実施した専売制度等により その生産がいったん途絶えてしまうが 平成19年「会津山塩企業組合」設立し 本格的な会津山塩の製造が開始される。そして昨今この「会津山塩」を ブランドとして復活させた。
「山塩とは」海の塩じゃないから、何かがちがいます。
宝の山:磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉は、「グリーンタフ」と呼ばれる地層に閉じ込められた太古の海水が、高温の地下水に溶け出して源泉になったものです。長い年月で、その海水成分は変質を余儀なくされ、はからずも海水に比べ塩素イオンが少なく硫酸イオンが多い、特殊な泉質になりました。この温泉水を煮詰めて「山塩」を作るわけですが、当然海水をじかに結晶化する「海塩」とは、風味がまったく違うものになりました。
山塩と海塩の主成分比較
会津山塩 海塩 原材料 温泉水 海水(日本) 製造方法 薪窯による煮詰め 濃縮して煮詰め 塩化ナトリウム 77.76% 90.05% カルシウム 2.19% 0.29% マグネシウム 0.43% 0.29% カリウム 0.42% 0.08% 大塩の温泉水と海水、1リットル中の塩分比較
会津山塩 海塩 食塩 16.5g 食塩 23g 出典元:会津山塩企業組合
おすすめの 会津山塩ラーメン店
大塩裏磐梯温泉の温泉水を焚いて作った「会津山塩」は ミネラル分がたっぷり含まれている。 「会津山塩」を使った山塩ラーメンは スープはキラキラと透き通り 口当たりもあっさり まろやかな味が特徴。しっかりとした旨味も感じられる。さっぱりとしたあっさり系の塩味のラーメンは 初めての人は少し塩味が足りないと 薄味に感じられるかもしれないが ひと口ふた口と箸を進めるうちに その旨味をじわじわと感じる。「くせ」になる味わいでファンも多い。にがり成分の多い海水の塩と違う やわらかな会津山塩ラーメンを ぜひご堪能あれ。
会津山塩食堂(会津若松駅構内) 会津山塩企業組合のアンテナショップ
お店は JR会津若松駅構内にあり 2021年7月22日に会津山塩企業組合のアンテナショップとしてオープンした。「会津山塩」を使用した山塩ラーメン・ソースカツ丼など 会津ならではの ご当地料理が楽しめる。ラーメンメニューは会津山塩ラーメンと会津山塩チャーシュー麺、会津山塩レモンラーメンの3種類。そして それぞれミニソースカツ丼のセットがある。
スープは山塩と鶏ガラ系出汁で 鶏はかなりの控えめ。山塩は角がなくほんのりと丸みがあり あっさりしていて 山塩の味をストレートに出している。麺は縮れが少なめの中太縮れ麺。弾力・モチモチ感・スープの絡み具合 どれも十分に楽しめる。チャーシューは豚バラチャーシューで塩味がきいている。厚さも食べごたえもじゅうぶん。
〒965-0041 福島県会津若松市駅前町1-2 JR会津若松駅1F
奥裏磐梯 らぁめんや【認定番号 第33号】
お店は 喜多方ラーメン 喜一の姉妹店。「会津山塩承認店」【認定番号 第33号】「会津米澤街道桧原歴史館」の館内にあり2008年4月のオープン。窓から桧原湖の絶景を眺めながら食事を楽しめる。会津山塩を使ったメニューは 会津山塩ラーメン 会津山塩チャーシューメン 会津山塩とうぎみラーメン 会津山塩つけ麺 など。
スープは 黄金色に染まる透き通るような淡い色合い。かどのない塩味で本当にまろやかで甘いスープ鶏をベースとした あっさりスープ。スープを口にすると 塩の香りと優しさが広がり ミネラル等が豊富で深い味わいが特徴的。さらに水は地元裏磐梯の桧原湖の源流で採れた天然水を使用。スープまで飲み干す人がほとんどだという。
会津山塩ラーメンは 一口目は塩味感が低くマイルド。この会津山塩を使うことで 旨味のある独特の風味まろやかで甘味がある味わいに。
麺は ツルツル モチモチとした食感が特徴の中太の多加水麺。茹でる前の手もみが縮れを生み 絶妙なウェーブがスープとの相性を良くしている。しっかりと手もみされた麺は 一口目から麺とスープの旨味が混ざりあっている。
柔らかく煮込まれた厚切りチャーシューは 脂身が多いにも関わらず 臭みを感じさせない。口に入れた瞬間にほろほろ崩れて 驚くほどやわらかい。それでいて 肉の部分は旨味がしっかりと残り ジュワッと広がる肉の旨味が美味しい。ちぢれ麺と柔らかなチャーシューとの相性も抜群。ちなみにチャーシューメンは数量に限りがあるので早い者勝ちだとか。
※Sio-Ya(シオヤ)から店名が変わりました。
麺処 零番(裏磐梯物産館内フードコート)【認定番号 第A-3号】
お店は 2023年4月に「裏磐梯物産館」内のフードコートにオープン。「会津山塩承認店」【認定番号 第A-3号】裏磐梯物産館の中にあるラーメン屋さんで無休。しかし、 11月中旬~4月中旬の冬季間は休業している。
会津山塩を使ったメニューは 会津山塩ラーメン 会津山塩チャーシューメン チャーシュー丼セットなど。
鶏ガラをベースにシンプルな材料のみで仕込んだスープは 山塩の独特な旨味とミネラル感が相まって スッキリとした味わいだ。「お出汁のように飲んでもらいたい」
麺は 手揉みのもちもち縮れ麺。定番は「会津山塩ラーメン」と「喜多方ラーメン」だ。
チャーシューは ギラギラさもなく味付けはスープの良さとマッチし 食べやすく飽きない。
山塩ラーメンのオススメトッピングは「大葉柚子胡椒」だが 柚子胡椒と大葉のパンチが強く 全く別物のよう。
※gran喜一から麵処零番に入れ変わりました。
〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字檜原湯平山1(裏磐梯物産館)
早稲澤屋 しお〇(まる)【認定番号 第47号】
お店は 元民宿を改装した店舗を引き継いで6年目。「会津山塩承認店」【認定番号 第47号】「会津山塩ラーメン」の他「会津山塩つけ麺」なども提供。2023年8月中旬から「会津山塩とうみぎラーメン」もメニューに加わる。自家製のトウモロコシはラーメンとの相性も抜群。山塩ラーメンが人気でさっぱり系ラーメン。
会津山塩を使ったメニューは 会津山塩ラーメン 会津山塩チャーシューメン 会津山塩とうみぎラーメン 会津山塩ネギラーメン 山塩おむすび など。「山塩つけ麺」もある。ラーメンだけでは物足りないと感じたら ミニチャーシュー丼セットをプラスしよう。ミニチャーシュー丼は 山塩ラーメン屋さんならではで 山塩をかけて頂くというスタイル。山塩の優しい甘さがチャーシューの旨味と甘みを よりいっそう引き出されている。塩むすびも山塩の甘さをシンプルに味わえるひとしな。
スープは山塩の協会があってそこの認定スープだそう。透き通るあっさりスープに 山塩がしっかり効いている。
麺は 喜多方ラーメンのような多加水でもちもち中太縮れで もちもち ぷりぷりとした麺。縮れは少なくほぼストレートではあるが それが淡い塩味のスープに良くあっている。
厚めに切ったチャーシューは少し炙ってあり しっかり下処理の油抜きがされているようで 全体の半分くらいが脂だが 全く脂臭さがなく 口の中で溶ける。
〒966-0501 福島県耶麻郡北塩原村桧原中原1047-28
麺や大一【認定番号 第39号】
お店は 2014年1月8日にオープン。「会津山塩承認店」【認定番号 第39号】ひと口すすった瞬間広がる山塩の甘み。その後 間髪入れずに訪れる 会津地鶏と長崎県産のアゴの滋養味。この山塩と出汁のうま味のバランスが極めて良好。しっかり手もみされた太ちぢれ麺は 含有水分量が多く瑞々しい食感。チャーシューもいい感じ会津親鳥をスープに 会津山塩をカエシに 寒さに耐えて甘みをましたキャベツがトッピング。会津がギュギュッと詰まった一杯が食べられる。
会津山塩を使ったメニューは 会津山塩らーめん 会津山塩チャーシューめん 会津山塩たんめん 季節限定メニューとして・1〜3月:ネギ玉七味らーめん、会津山塩キャベツらーめん・5〜7月:大一つけ麺・8〜9月:会津山塩の冷たいらーめん がある。
スープは 会津地鶏・国内産豚骨・焼アゴ(長崎県産とび魚)・香味野菜のスープは 三位一体の澄んだまろやかな味で とても繊細なスープ。山塩のかすかな甘みを最大限に引き出されている。
麺はツルツル感バッチリの中太ちぢれ麺で スープによく絡む。麺全体に熱が通る 昔ながらの釜茹で技法を使用しているとのこと。
メンマはかなり太めで歯ごたえ抜群。ネギは少し太めに切ってあり その食感はスープや麺と相性抜群。チャーシューは国内産豚の三枚肉を使用。厚みがありトロトロ。
うえんで山鹿店【認定番号 第55号】
お店は 会津若松市大戸町に本店がある「うえんで」は1972年に創業。現在は本店 山鹿店 喜多方店の3店舗。うえんでの由来は うえんで本店が所在する地名が昔「上ノ台」だったことからとのこと。「うえのだい」が訛り「うえんで」と呼ばれていたのが そのまま店舗名になったのだそう。昭和47年より多くの人に愛されてきたこだわりの味があり 焼き鳥(国産豚のかしら肉を使用)が名物のラーメン店。昔ながらの味わいを楽しめる「中華そば」 北塩原村産の会津山塩を使用した「会津山塩らぁ麺」などが食べられる。
会津山塩を使ったメニューは 会津山塩らぁ麺 会津山塩チャーシュー麺 会津山塩ワンタン麺 しおタンメン 夏季限定で会津山塩冷しらぁ麺などもある。麺は 普通麺(中太縮れ麺)と手打麺(極太縮れ麺) 細ストレート麺の3種類から選ぶことが出来る。
一般的な塩よりも 山塩を使ったスープは まろやかなのが特徴だが 透き通っていながらも しっかりコクを感じる。塩のあっさり感だけでなく スープのコクとミネラルの旨みがしっかりと舌の上に残る。しつこさや脂っこさは一切なく それでいてコクがありゴクゴク飲めるスープ。
チャーシューは トロトロで肉の旨みたっぷりで 薄切りで見た目よりくどくは無い。 むしろあっさりしたスープを引き立ててくれ 麺との絡みも良く絶妙。
〒965-0877 福島県会津若松市西栄町2−17(山鹿店)
〒969-5123 福島県会津若松市大戸町上三寄大豆田11-3(本店)
〒966-0811 福島県喜多方市上川向4488ー1(喜多方店)
麺や・山の駅食堂
お店は 2009年9月20日何もなかった山の中にオープン。60代半ばの夫婦二人で始めたラーメンとみやげ物屋が 70代で繁盛店になったそう。「激うま!! トマトらーめん」の看板が目印で ちっちゃな道の駅のような雰囲気。猪苗代方面から裏磐梯へと向かう途中にあり 磐梯山の川上登山口そばにある。ここで人気の一杯は「激うま!トマトラーメン」。地元の食材を使用したメニューは 定食からラーメン 名物ソースカツまでバラエティ豊かなに取りそろえている。店内では会津の名物品やお野菜の販売も。店内にはお土産や地元産野菜の販売スペースもある。
会津山塩を使ったメニューは 山塩とまとラーメン 山塩ラーメン 味玉山塩ラーメン 会津山塩レモンラーメン 味玉会津山塩レモンラーメンなど。レモンは酸味というよりは風味づけに貢献していて 山塩ラーメンに意外にマッチ。
「山塩レモンラーメン」は ラーメンにレモンがトッピング。如何にも涼し気で美味しそう。スープはレモンのさっぱり感と炒めた刻み玉ネギの甘みがマッチし美味しい。麺は太麺か細麺が選べます。どのラーメンにもチャーシューが入っているが 塩味にもぴったりで 極厚のチャーシューはやわらかくトロトロ。中々食べ応えがあり。
〒969-3101 福島県 耶麻郡猪苗代町 字山神原7082-1
まだある! 会津山塩ラーメン営業店
- 旅館米澤屋【認定番号 第2号】
〒966-0402 福島県耶麻郡北塩原村大塩4447 - 会津食のブランド館【認定番号 第5号】
〒969-3555 福島県河沼郡湯川村佐野目五丁ノ目78−1道の駅あいづ湯川・会津坂下内 - 会津田舎家【認定番号 第6号】
〒966-0821 福島県喜多方市梅竹7276−2 - むらびと【認定番号 第13号】
〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村檜原湯平山1171−19 - 水峰【認定番号 第16号】
〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ケ峯1093 - 天然温泉民宿ひばら【認定番号 第24号】
〒966-0501 福島県耶麻郡北塩原村檜原墓下610−10 - 磐梯山サービスエリア下り線【認定番号 第34号】
〒969-3302 福島県耶麻郡磐梯町更科高森平2481-15 - 本丸茶屋【認定番号 第37号】
〒965-0873 福島県会津若松市追手町4−1 - 肴家つかさ【認定番号 第62号】
〒969-6215 福島県大沼郡会津美里町下堀村南51−1 - 田舎のまんま屋めだかのがっこ【認定番号 第69号】
〒966-0501 福島県耶麻郡北塩原村檜原 字巣ノ山1131-54 - 浄土平レストハウス1Fフードコート【認定番号 第73号】
〒960-2157 福島県福島市土湯温泉町鷲倉山1 - ドライブインこたかもり【認定番号 第75号】
〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村檜原曽原山1096−184 - 村の駅味楽【認定番号 第77号】
〒968-0103 福島県大沼郡昭和村下中津川住吉396−1 - カフェ カローテ【認定番号 第88号】
〒965-0001 福島県会津若松市一箕町松長6丁目12-1 - 来夢猪苗代店【認定番号 第91号】
〒969-3121 福島県猪苗代町梨木西71番地1 - めでたいや【認定番号 第98号】
〒965-0817 福島県会津若松市千石町3−1 - 道の駅にしあいづ 交流物産館よりっせフードコート内 米ジロー【認定番号 第A-4号】
〒969-4406 福島県耶麻郡西会津町野沢字下條乙1969-26
まとめ
ラーメンは日本全国 たくさんあるので いろいろな味のラーメンがそれぞれの土地で食することが出来る。しかし ラーメンは誰でも小さい時から食べられている国民食でもあるし 子供のころから食べ慣れているラーメンの味が 自分の味になっている。しょう油 味噌 豚骨 皆さんはどっち派だろうか?
なかでも「塩味のラーメン」は 食べる機会が少ない部類だろう。
今回は 数少ない「会津山塩」を使った塩ラーメンを紹介してみた。初めての人は 味が薄いと感じるかもしれないが ひと口 ふた口とラーメンをすすっていくと じわじわとくる まろやかな塩のうま味を感じてくるに違いない。会津山塩は生産量が限られており 取扱店が少ないので 福島県会津を訪れた際には 是非 この「会津山塩ラーメン」を味わっていただきたい。