吾輩は、昭和３８年（1963年）の生れで、吾輩が幼少時代には、外で遊ぶと言ったら「野球」が一般的で、世間では「巨人・大鵬・たまご焼き」という時代だ。
同年代の人達は、言わずもがなだが、平成・令和の人達には何のことやら、さっぱり分からないだろう。
ちなみに、「巨人・大鵬・卵焼き」とは、昭和45年（1970年～1980年）頃から言われ始めた、昭和の「流行語」であり、この言葉は、当時の子供達が、好きなものの代表だった。
これは、当時の通商産業省（現在の経済産業省）の官僚だった、堺屋太一が、経済報告の記者会見の席で話したことが、きっかけと言われている。
「巨人」は、プロ野球の球団（読売ジャイアンツ）で、「大鵬」は、大相撲の横綱、「卵焼き」は、料理である。
吾輩が、幼少時代は、「巨人」が全盛の時代で、中でも、長嶋茂雄・王貞治のＯＮ砲（2人の頭文字）で、日本シリーズを9連覇（Ｖ９）を成し遂げた時代だ。
このことで、多くの小学生は、「巨人」のエンブレム（ＹＧ）のついたキャップを、かぶっていたものだ。
そんな時代に育った吾輩も、小学時代は野球アニメの「巨人の星」（原作は梶原一騎、作画が川崎のぼるによる日本マンガ作品）、中学時代は「ドカベン」（水島新司の日本の野球漫画を原作としたアニメ）を見て、高校時代は３年間、白球を追うことになった。
そのような事もあって、「大谷選手」の活躍には、特に注目をしている。
今回は、そんな「大谷選手」が使っている「バット」について、見ていきたいと思う。
1．ホームラン王「大谷翔平選手」のバットとは？
大谷翔平選手が、2024年にホームランを量産し、ホームラン王となった背景には、ワールドシリーズ優勝争いに絡む強豪チームで、プレー出来たという事があるかもしれない。
大谷翔平選手は、キャリアの中で、チャンピオンシップを目指すチームでプレーし、「ワールドチャンピオンになりたい」という思いを持っていた。
そして、大谷翔平選手は、希望通り、毎年のようにプレーオフ進出を果たし、ワールドシリーズ優勝争いに絡む強豪チームである「ロサンゼルス・ドジャース」に移籍した。
精神的な部分については、大谷翔平選手本人にしか分からないが、そのモチベーションが、彼をその結果に導いたのではないかと、吾輩は思っている。
もちろん、大谷翔平選手が、2024年にホームラン王となり、卓越したパフォーマンスを発揮した背景には、彼の道具選び、特にバットの選択が、大きく影響している事は間違いない。
大谷翔平選手が、2024年に使用しているバットは、アメリカの「チャンドラー バッツ社（Chandler Bats）」製で、特に、ホームラン量産に大きく貢献しているバットとして、注目されている。
2．木製バットメーカー：チャンドラー バッツ社（Chandler Bats）
引用元：Chandler Bats Chandler Bats | Different By Design™
チャンドラー バッツ社（Chandler Bats 以下、チャンドラー）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州に拠点を置くバットメーカーで、2009年に設立された。
「チャンドラー」のバットは、特にメジャーリーグ（MLB）の強打者たちに支持されおり、比較的新しい企業だが、その高品質な製品によって、急速に評価を高めている。
日本では、日本野球機構（ＮＰＢ）が、2021年から「チャンドラー」のバット使用が認められている。
「チャンドラー」製のバットは、プロだけでなく、全日本野球協会（BFJ）の許可も取れ、アマチュア選手も「BFJ」マークが入っていれば使用できるようになった。
日本国内で購入するとなると、素材にもよるが、1本3万5000円～5万円を超える価格となっている。
2.1 チャンドラー バッツ社の特徴
「チャンドラー」のバットは、精密な製造技術と革新的な設計により、打撃パフォーマンスを最大限に引き出すことを目的としている。
「チャンドラー」のバットは、特に耐久性と打撃性能に優れており、プロ野球選手にとって信頼できる選択肢となっている。
そして、「チャンドラー」は、MLBでトップクラスの選手たちが愛用するバットメーカーであり、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手など、数多くの強打者が使用していることで有名だ。
大谷翔平選手のホームラン王獲得には、移籍後の新しいチーム環境や、道具選びが大きく寄与している。
特に、「チャンドラー」製のバットが、彼のスイング力を最大限に引き出し、ホームラン量産に貢献したことは明らかだろう。
また、大谷翔平選手の活躍によって、このバットの人気が日本でも急上昇しており、使用する選手が倍増したという報告もあるようだ。
2.2 「チャンドラー」製のバット：シェア
2024年開幕戦のMLBバット使用率から見るシェアは、「１位」ヴィクトゥス（24.4％）、「２位」マルッチ（23.0％）、「３位」ルイビルスラッガー（16.3％）、「４位」チャンドラー（12.2％）、「５位」オールドヒッコリー（7.4％）であった。
【ＭＬＢのブランド別バット使用率の推移】
※ 縦軸は、開幕日の打席数の割合
引用元：BAT DIGEST MLBバット
※ BAT DIGEST MLBバット2024年開幕戦のMLBバット使用率の木製バット頻度票を一部加工しております。
2.3 「チャンドラー」製バット：特に支持される理由
「チャンドラー」のバットは、木材の選別から精密な加工まで徹底した品質管理がなされており、打者の要望に合わせたカスタマイズが可能とのこと。
アメリカでは、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手や、ロサンゼルス・ドジャースの選手も愛用しているそう。
1. 高品質なメープル材の使用
「チャンドラー」は、特に高密度の「メープル材（カエデ科の落葉広葉樹）」を厳選して使用しており、この素材は非常に硬く、耐久性が高いことで知られている。
メープル材の硬さにより、バットは打球の反発力が強く、飛距離が伸びやすい特徴がある。
特にパワーヒッターにとって、打球の勢いを最大限に引き出すメープル材は理想的で、メープルの細かい木目が、バットの割れにくさに寄与し、長持ちする点でも、評価されているとのこと。
このため、大谷翔平選手のような強打者にとっては、理想的な選択であり、メープル材のバットは、硬さによってスイングスピードが速くなり、飛距離が伸びやすく、ホームラン量産に貢献すると考えられる。
2. 精密な製造技術
「チャンドラー」は、バットの製造過程で一切の妥協を許さないことで知られていて、一本一本が手作業で製造され、木材の選別、加工、バランス調整まで、徹底した品質管理が行われている。
この精密な製造技術により、選手はバットのバランスが最適化され、よりスムーズなスイングが可能になるのだとか。
特にスイングの感覚やバットの重心が、強打者にとって重要であり、「チャンドラー」は、その要求に応えているという。
3. カスタマイズ性
「チャンドラー」は、選手個々のニーズに合わせた、カスタマイズが可能とのこと。
バットの長さ、太さ、グリップ、重さなど、細かな要望に応じて調整できるため、選手が最も快適に扱えるバットを提供することが出来る。
プロ選手は、自分の打撃スタイルに合ったバットを求めるため、カスタマイズの自由度が高いことは、大きな強みである。
これにより、バットは、選手のパフォーマンスを、最大限に引き出す道具となる。
4. 優れた耐久性
メープル材の硬さと、「チャンドラー」の精密な加工技術により、「チャンドラー」のバットは、非常に高い耐久性を誇る。
選手は、バットが割れるリスクを抑えつつ、長期間使用できるため、信頼性が高い製品となっている。
特にメジャーリーグの選手は、試合やトレーニングで、ハードな使用に耐えることが求められるため、耐久性が高いことは、重要な要素である。
5. 選手との緊密な連携
「チャンドラー」は、選手とのフィードバックを重視し、それに基づいた製品開発を行っているという。
実際に使用する選手の意見を取り入れ、バットの形状や性能を改良し続けているため、強打者にとって、常に最適なバットが提供されるとのこと。
この緊密な連携が、選手のパフォーマンス向上に直接つながっており、彼らからの信頼を得る理由の1つになっている。
支持される理由：まとめ
このように、「チャンドラー」は、メープル材を中心に高品質な素材を使用し、打者のパフォーマンスを最大限に引き出すバットを提供すると共に、他の木材のオプションも用意し、選手のニーズに柔軟に対応している事が、「チャンドラー」製バットが支持される理由のようだ。
「チャンドラー」のバットは、主にメープルを使用しているという。
メープルは、硬度が高く、打球の反発力が強いため、強打者に好まれる素材で、耐久性に優れ、バットが割れにくく、長く使えるのも利点とのこと。
メープル材で作られた「チャンドラー」のバットは、非常に硬く、強力なスイングを実現するために最適である。
大谷翔平選手のスイングスピードの向上に加え、このバットの軽量性と耐久性は、彼がパワフルな打撃を連発できる一因となっているという。
そして、バットの硬さや軽さが、スイングの効率を高め、より強い打球を飛ばすことができたため、ホームラン王を達成することができたと考えられる。
この様な、大谷翔平選手の道具選びへのこだわりが、パフォーマンスに直接的な影響を与えたと言えるだろう。
大谷翔平選手のホームラン王獲得には、移籍後の新しいチーム環境や、道具選びが大きく寄与しており、特に、「チャンドラー」製のバットが彼のスイング力を最大限に引き出し、ホームラン量産に貢献したことは明らかだ。
2.4 「チャンドラー」製バット：他の素材
「チャンドラー」では、「メープル材」が最も多く使用されるが、「アッシュ（ash）モクセイ科トネリコ属の広葉樹」や「バーチ（birch）カバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹」といった他の木材も選択肢として提供されているとのこと。
アッシュ材は、柔らかく、バットがしなりやすいのが特徴で、打球感が軽いとされていて、バーチ材はメープルとアッシュの中間の特性を持ち、しなやかさと硬さのバランスが良いと言われている。
3．一般的なバット素材の比較：材質で変わる打感
大谷翔平選手ような強打者にとっては、メープル材のバットは、理想的な選択であり、硬さによってスイングスピードが速くなるため、飛距離が伸びやすい特徴がある。
このため、大谷翔平選手の2024年シーズンは、この「バットの特徴」と大谷翔平選手の「フィジカルの強さ」がマッチし、このホームラン量産に繋がったと言っていいだろう。
大谷翔平選手は、2021年以前は、「アオダモ（モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹）」という材質のバットを使用していたが、2021年から、「イエローバーチ（カバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹）」のバットに切り換えている。
そして、2023年から、日本のスポーツ用品メーカー「アシックス」から、アメリカの「チャンドラーバッツ」にかえ、バット素材は、「イエローバーチ」材から「メープル」材にかえている。
この様に、大谷翔平選手は、自身の「フィジカル」や「バッテイングフォーム」、「バッッテイングスタイル」によって、バット素材を換えてきている事が、大谷翔平選手の進化の理由ではないだろうか。
この様に、野球用バット素材として、主に4種類の木材が一般的だが、それぞれに異なる特性がある。
それぞれの特徴は以下の通り。
1. メープル（Maple）：カエデ科の落葉広葉樹
（和名：サトウカエデ）
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
引用元：（一財）日本木材総合情報センター 木材の種類と特性 ハードメープル
硬さと柔軟性のバランス:
メープルは最も硬い木材の一つで、高密度な繊維構造を持っているため、しなやかさは少ないが、強い反発力を発揮する。
打感:
硬さが際立つため、打球感が「しっかり」としており、強い打球を打つことができ、パワーヒッターが好む素材である。
耐久性:
高い密度により耐久性が高く、バットが割れにくいが、割れるときは一気に割れるため、使用時には注意が必要である。
人気の理由:
パワーヒッター向き。例えば、アーロン・ジャッジ選手や大谷翔平選手がメープルバットを好んで使用している。
2. バーチ（Birch）：カバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹
（和名：カバザクラ）
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
引用元：（一財）日本木材総合情報センター 木材の種類と特性 シラカンバ（バーチ）
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
引用元：（一財）日本木材総合情報センター 木材の種類と特性 イエローバーチ
硬さと柔軟性のバランス:
メープルとアッシュの中間的な特性を持ち、適度な硬さと柔軟性があり、打球のパワーをしっかりと伝える一方で、しなりも感じられるため、両方のメリットを享受できる。
打感:
メープルほど硬くはないものの、しっかりとした打感があり、かつ手に伝わる振動が少なく、快適なスイング感がある。
耐久性:
耐久性は比較的高く、アッシュよりも割れにくい一方で、メープルほどの硬さや耐久性は持ち合わせていない。程よい強度としなやかさのバランスを好む選手に向いている。
人気の理由:
最近のMLB選手にも人気があり、硬さと柔軟性のバランスを求めるプレーヤーに支持されている。
3. アッシュ（Ash）：モクセイ科トネリコ属の広葉樹
（和名：アメリカトネリコ 又は、アメリカタモ）
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
引用元：（一財）日本木材総合情報センター 木材の種類と特性 ホワイトアッシュ
硬さと柔軟性のバランス:
アッシュはメープルに比べて柔らかく、しなりやすい木材であるため、柔軟性に優れ、打撃時にバットが「しなる」感覚を得やすい。
打感:
柔らかさがあるため、打球感はメープルよりもソフトで、打球の力を最大限に伝えるというよりも、スムーズなスイング感覚が特徴である。
耐久性:
柔らかいため、芯を外したときに割れやすい傾向があり、特にプロの試合では、バットが割れることも少なくない。
人気の理由:
過去には多くの選手に使用されたが、メープルの普及によりやや減少したが、しなりを重視する打者に支持され続けている。
4. アオダモ（Aodamo）：モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹
（和名：アオダモ 別名：コバノトネリコ）
※本文中の特性値の出所は、「日本の木材」木材工業編集部 公益社団法人 日本木材加工技術協会 1966 のため、上記の表と値が異なる場合があります。
引用元：（一財）日本木材総合情報センター 木材の種類と特性 アオダモ
硬さと柔軟性のバランス:
アオダモは、日本で伝統的に野球バットに使用されてきた木材で、柔軟性がありつつも適度な硬さを持っているため、打撃時のしなりが心地よく、バランスの取れた打撃感を提供してくれる。
打感:
しなりがあり、アッシュに似た「しなやかさ」を感じながらも、打球感が心地よく、日本のプロ野球では多くの選手がこの素材を使用してきた。
耐久性:
アオダモは、非常に強靭で、耐久性が高い素材だが、アオダモの木が減少しているため、現在ではバットの製造に使われる機会が、減少している。
人気の理由:
かつて、日本のプロ野球選手に広く使われていたが、現在は保護活動の影響もあり、他の素材が主流になっている。
特徴の総括
メープルは、硬さと反発力を重視するパワーヒッター向け。
バーチは、メープルとアッシュの中間的な特性を持ち、硬さとしなりのバランスが良い。
アッシュは、柔軟性と軽さを求める選手に最適で、スムーズなスイング感が特徴。
アオダモは、日本の伝統的な素材で、しなりと耐久性が高いが、木材資源の減少により使用が減少。
4．大谷翔平選手のバットスペック：硬さ・長さ・重さ
大谷翔平選手が使用しているバットのスペックは、彼のパワーとスイングスピードを最大限に活かすようにカスタマイズされている。
大谷翔平選手が使用するバットの「硬さ」「長さ」「重さ」については、以下の通り。
1. 硬さ
大谷翔平選手は、硬くて高密度なメープル材を使用したバットを、2023年のシーズンから選び、使用している。
メープルは、その硬さと反発力で知られ、打球に強い力を伝えやすく、ホームランを狙うパワーヒッターにとって最適である。
大谷翔平選手のパワーを最大限に引き出すため、硬めのメープル材が選ばれている。
2. 長さ
大谷翔平選手のバットの長さは、以前は、33.5インチ（約85.1センチ）であったが、2023年シーズンから「34.5インチ（約87.6センチ）」になっている。
そして、2024年シーズンは、「34インチ（約86.4センチ）で、ホームラン王という成績を残した。
これは、メジャーリーグの選手の中では標準より少し長いが、スイング範囲を広く取り、パワーを効率的にボールに伝えるために最適化されている。
3. 重さ
大谷翔平選手のバットの重さは、32～33オンス（約900～935グラム）の範囲内で、毎年、シーズンの目的に合わせて最適化していると思われる。
バットの重さは、パワーヒッターとして十分な打撃力を持ちながらも、スイングスピードを維持するために絶妙なバランスが必要で、重すぎるバットはスイングスピードを犠牲にするが、大谷翔平選手はバットの重さとパワーを両立させるため、適度な重量のバットを選択していると思われる。
2024年シーズンのバット重量は、31.5オンス（約893グラム）と僅かではあるが、軽くしているのは、右腕の手術リハビリ中という事もあり、腕に負担がかからないように、していたのではないか。
たった0.5オンス（約14g）程度軽くなったくらいだが、大谷翔平選手の様な、超人的なバットのスイングスピードを維持するためには、この選択が重要なのだろうか。
4．大谷翔平選手のバットのスペックの変遷
大谷翔平選手は、2021年シーズンくらいから、体型が変化していることに皆さん、お気づきだろうか？
毎年、肉体改造を繰り返し、ビルドアップしているのが良くわかる。
昨年2023年シーズンまでは、「二刀流」を行っており、ピッッチングとバッテイングで、シーズン後半には、体の疲れがあったのだろう、戦列からの離脱を余儀なくされた。
大谷翔平選手は、自分でシーズンの長期計画を立てているのだろう。
年度ごとの、達成すべき自分のあるべき姿を想定し、「フィジカル」や「ピッチング・バッテイングのそれぞれの技術」「精神面」に至るまで、自分に課題を課している。
2024年シーズンの、大谷翔平選手の体は、「肉体改造」により、体重は、ファイターズ時代だった2015年は、約86kgだったが、現在は推定102kgと約16kgの増量に成功している。
シーズン前のキャンプ中の映像でもよくわかるが、最近の大谷翔平選手の体は、「でかくなったな」「胸板と肩回り、腰や太ももあたりが変わった」と皆さんも見て感じるほどの変化だと思う。
そのため、大谷翔平選手は、自分のパワーアップされた体型に合わせた、「体の使い方」も、「道具」も変えなければならないのだ。
「バッテイング」いおいては、バットの材質やスペックを細かく調整し、今の自分に最適な道具を選び、カスタマイズしているに違いない。
大谷翔平選手は、進化し続け、「決して、とどまらない」ので、今後もバットは、カスタマイズされ続けるだろ。
以下は、これまでの大谷翔平選手の、具体的なバットのスペックの変遷である。
来シーズンは、ピッチャーとバッターの二刀流として活躍するために、腕の負担を考えて、材質や重さを換えてくるかもしれない。
このバランスの良いバット選びやカスタムが、大谷翔平選手の高い打撃成績を裏付けている。
来年の大谷翔平選手の活躍を期待したい。
5．「ホームラン王」大谷翔平選手モデルのバットカスタマイズ
大谷翔平選手が使用するバットは、パワーヒッターとして知られる「ニューヨーク・ヤンキース」のアーロン・ジャッジ選手のバットを参考に、カスタマイズされていると言われていて、二人の体格や打撃スタイルの違いを考慮して、細かい部分が調整されているという。
硬さ、長さ、重さに加え、グリップの太さ、重心の位置、バランスの位置、バレル（打球部）の太さなどのカスタマイズポイントについては、以下の通り。
※ 詳細については、本人に確認を取ってはいないので、想像でしかないので、ご承知おきをお願いしたい。
1. 硬さ
共通点: 大谷選手もジャッジ選手も、非常に高密度で硬いメープル材を使用しており、この素材は、打球時の反発力が強く、飛距離を伸ばすのに有効である。
違い: ジャッジ選手のパワーに合わせて、特に硬さにこだわっている一方、大谷選手のバットはもう少し柔軟性が考慮されているかもしれない。大谷選手のスイングは、パワーだけでなく、技術的な側面も強調されているためである。
2. 長さ
ジャッジ選手: ジャッジ選手のバットは、通常35インチ（約88.9センチメートル）と非常に長い。彼の体格（身長約201cm、体重約128kg）とリーチを活かして、広範囲に対応できる設計になっている。
大谷選手: 大谷選手のバットは、34インチ（約86.4センチメートル）で、やや短めに設定されている。大谷選手も大柄な体格（身長約193cm、推定体重102kg）であるが、よりバランスの取れたスイングと精密なコンタクトを目指しているため、これが最適な長さとなっている様だ。
3. 重さ
ジャッジ選手: ジャッジ選手のバットは、33～35オンス（約935～992グラム）と非常に重く、これも彼の体格に合った仕様である。重いバットは打球に大きなパワーを伝えることが出来るが、スイングスピードが犠牲になる場合がある。
大谷選手: 大谷選手のバットは、32～33オンス（約900～935グラム）とやや軽めである。これにより、スイングスピードとパワーのバランスを保ち、広角に打ち分ける技術的な打撃スタイルに対応している。
4. グリップの太さ
ジャッジ選手: ジャッジ選手のグリップは、やや太めで、握りやすさとしっかりした感覚を求めているそう。太いグリップは、バットが手元でしっかりとフィットし、力強いスイングを可能にする。
大谷選手: 大谷選手は、比較的細めのグリップを選び、より繊細なバットコントロールを求めているそう。細いグリップは、スイングスピードを上げやすく、柔軟なバット操作に適している。
5. 重心の位置
ジャッジ選手: ジャッジ選手のバットは、バレル（打球部分）に重心が近いトップヘビーな設計になっていることが多く、強いスイングで打球を遠くに飛ばす狙いがあるという。
大谷選手: 大谷選手のバットは、ややバランスが取れた設計で、重心がもう少し手元に寄っているそう。このため、よりスムーズなスイングとバランスの良い打撃が可能となる。
6. バランスの位置
引用元：スーパースポーツゼビオ 軟式野球 バットの選び方
ジャッジ選手: ジャッジ選手のバットは、トップヘビーな設計により、バット全体の重さがバレル寄りになり、強いインパクトが生まれやすいが、スイングがやや重たく感じられることもある。
大谷選手: 大谷選手のバットは、より均等にバランスが取れており、軽快なスイングを可能にし、長打と打率の両立を目指すバッターには有利である。
7. バレル（打球部）の太さ
ジャッジ選手: ジャッジ選手のバットは、バレル部分は、やや太めに設定されており、ボールとのインパクトが強く、特に芯で捉えた時の飛距離は大きく伸びる。
大谷選手: 大谷選手のバットは、全体的にスリムで、しなやかさとスイングスピードの両立を図っている様だ。これにより、コンタクト率を高めながらも、パワーを発揮できるバランスを取っているそう。
大谷選手は、ジャッジ選手のバットを参考にしつつも、自分の体格と打撃スタイルに合ったカスタマイズを行っていると言われている。
長さや重さの調整、グリップの細さ、重心の位置、バランス感覚を微調整することで、スムーズなスイングと強い打球の両立を実現しているのが分かる。
6．ファンが試したい！大谷翔平選手のバット、入手方法
6.1 チャンドラー社のバットの購入方法
Chandler社のバットはNPB・BFJ公認バットメーカーとして登録されているものの、残念ながら日本での一般販売はされていないようで、Cahndler社の公式HPか、eBay等の輸入サイトから購入する必要があります。
この場合、アメリカから輸入することになるので、NPBマークやBFJマークは付かないバットを購入することになります。Chandler社の公式HPから購入する場合は、自分の好きなモデルをベースにオーダーするCUSTOMとストックされているバットを購入するON-DEMANDの２種類があります。
（どちらもアメリカからの発送になり、送料がかかる点に注意が必要です。）また、もっとお手軽に購入したい、という方にはeBayを利用して購入する、という方法もおすすめです。
（ただし、チャンドラー社に関してはBFJマーク付きのバットの購入方法が不明です。）
引用元：おりゅう.com. 【まとめ】MLBで人気のバットメーカーは？シェアトップ５メーカーと代表的な使用選手
7．まとめ：メジャーリーガー「ホームラン王」のこだわり
ここまで見てきたように、大谷翔平選手の驚異的なパフォーマンスの背景には、卓越した技術は勿論、人並みならぬ、道具へのこだわりがあった。
大谷翔平選手の「二刀流」の活躍は、身体的な才能だけでなく、細部への徹底した追求が支えているのだ。
特に、バットに対するこだわりは、大谷翔平選手の打撃力を最大限に引き出す、重要な要素となっていた。
まず、大谷翔平選手のバット選びには、素材へのこだわりが大きく影響していた。
大谷翔平選手が使用しているバットは、高密度で硬いメープル材を、2023年から採用したのだが、これが以前より、大谷翔平選手の打球に、強い反発力を与えている。
メープルは、硬さが特徴で、打球の力を最大限に伝えることができ、特にホームランを狙うパワーヒッターに適している。
大谷翔平選手が使用する、チャンドラー製のバットは、アーロン・ジャッジ選手のバットを参考にしながらも、大谷翔平選手自身の「スイングスタイル」や、「体格」に合わせたカスタマイズが施されていた。
具体的なカスタマイズポイントとしては、バットの長さ、重さ、グリップの太さ、重心の位置などが挙げられる。
大谷翔平選手のバットは、2024年シーズンでは、長さが34インチで、重さが32～33オンス程度と若干軽めの設計。
これは、大谷翔平選手のパワフルなスイングを支えつつ、スイングスピードを保つためのバランスを取った設定となっている。
ジャッジ選手のバットに比べるとやや軽めで、長さも短めに設計されており、これが大谷翔平選手のスムーズなスイングを可能にしており、大谷翔平選手の野球スタイルや考え方が、そうさせているのだろう。
また、グリップの太さも、重要なカスタマイズポイントである。
大谷翔平選手は、比較的細めのグリップを選んでおり、これによりバットコントロールが向上し、繊細なスイングが可能になる。
太いグリップは、握力を必要とするが、細いグリップは、スイングスピードを上げやすく、柔軟な対応が可能となる。
このため、大谷翔平選手は、パワーだけでなく広角に打ち分ける能力も、発揮できている。
さらに、バランスの位置と重心の調整も、大谷翔平選手のパフォーマンスを支える、重要な要素になっている。
ジャッジ選手のバットは、トップヘビーで、バレル部分に重心が集まっているのに対し、大谷翔平選手のバットは、バットの自在性を重視した、ミドルバランスにより、均等にバランスが取られている。
これにより、大谷翔平選手は、スムーズなスイングを行い、力強い打球だけでなく、精密なコンタクトも可能にしている。
このようなバランスの良さは、彼の広角打ちや、高い打率を維持するためにも、重要な要素であると思う。
さらに、大谷翔平選手は、単に道具に頼るだけではなく、技術的な工夫を怠らない。
大谷翔平選手の柔軟なスイングは、足腰の強さと体幹の安定によって支えられ、これが彼の卓越したバットコントロールとパワーを支えている。
そして、大谷翔平選手の緻密なスイングメカニクス（スイングの動作を効率的に行うための、メカニズムの分析と改善の研究）は、映像分析やデータ解析を通じ、常に進化しているし、大谷翔平選手は、ベンチで常にチェックを怠らない。
これにより、大谷翔平選手は、どのピッチャーに対しても柔軟に対応し、状況に応じてバットをコントロールすることができているのだ。
この様に、大谷翔平選手のバットに対するこだわりは、彼のパワフルかつバランスの取れた打撃スタイルを支える、重要な要素である。
メープル材の硬さと反発力を活かしつつ、自身の体格や打撃技術に合わせた、細部への調整（長さ、重さ、グリップの太さ、重心の位置）が、彼のホームラン量産を可能にしている。
大谷翔平選手の道具へのこだわりと、飽くなき技術的な追求が組み合わさり、2024年シーズンの「ホームラン王」という偉業を、成し遂げる要因となっているのだ。
今後も、大谷翔平選手の「一挙手一投足」に目を離せない。
