【2024年衆議院議員総選挙】が目前に迫り、再び「政治と金の問題」が注目されています。
選挙には、膨大な資金がかかることから、政治家が資金集めに奔走する姿は、よく見られます。
しかし、その過程で、法律を犯す事例も、少なくありません。
なぜ、政治家は、お金に関する問題を、抱えてしまうのでしょうか?
特に、「裏金」という言葉が象徴する、不正な資金のやり取りは、どのようにして生まれ、政治にどのような影響を、与えているのでしょうか。
ここでは、2024年の選挙を背景に、「政治と金の問題」が生じる理由や、「裏金」の実態について、見ていきたいと思います。
1.政治に掛かるお金「費用」
政治にかかる「費用」は、「選挙」を含むさまざまな活動に関連していますが、「選挙」だけに限りません。
政治にかかる「費用」には、次のようなものがありますので、少し具体的に見ていきたいと思います。
1.1 政治に掛かるお金「費用」
政治と「選挙」の関係については、切っても切り離せない関係にあります。
あくまでも「選挙」は、政治の一部であって、特に国会議員を選ぶ「選挙」は、私たち国民の代表者を選ぶための、大事なプロセスであり、私たち国民の権利の1つです。
そして、政治は「選挙」に限らず、選ばれた代表者や政党が、政策を立案し実施する、日常的な活動も含まれています。
あくまでも「選挙」は、政治の出発点であり、「選挙」後も政治活動は、継続させなくてはならないため、政治家には、事務所の運営資金や、政治活動資金として、お金が必要になるのです。
1.1.1 選挙関連費用
まず最初に、「選挙」は、政治の重要な一部で、さまざまな「費用」がかかります。
- 選挙運動費用
候補者が、選挙期間中に行う活動にかかる費用です。
街頭演説、ポスター作成、広告、交通費などが含まれます。 - 選挙資金管理費用
候補者や政党が、選挙資金を管理するための費用です。
選挙の資金報告や、法令に従った支出の管理が必要です。 - 選挙事務所の運営費用
選挙運動の拠点となる事務所の賃貸、運営、スタッフの雇用費などの費用です。
1.1.2 政党活動費
「政党」は、選挙以外でも日常的に政治活動を行っており、その活動には「費用」がかかります。
- 政策立案・研究費用
政策を立案するために、専門家を雇ったり、調査を行ったりするための費用。 - 広報費
政党や政策を、国民に周知するための広告や、イベント開催費用。 - 党員活動費
政党の会議、党員向けイベント、政治活動に参加するための旅費や諸経費。
1.1.3 政治家個人の活動費
政治家が「選挙」後に行う、日常的な活動にも「費用」がかかります。
- 議員活動費
国会議員や地方議員が、活動するための事務所運営費、スタッフの給料、政策調査にかかる費用。 - 地元活動費
地元での選挙区活動や、支持者との交流にかかる費用。
1.1.4 政治資金
政党や政治家は、これらの活動に資金が必要であり、「寄付」や「政党助成金」などが主な収入源となります。
政治資金の収入と支出は、厳しく管理され、定期的に報告する義務があります。
1.2 「選挙」にかかるお金「費用」の具体例
「選挙」にかかる「費用」には、供託金(立候補する際に預けるお金)や、選挙運動に直接かかる運動費用が含まれます。
これらは、「選挙」の種類や規模によって異なりますが、具体的な項目とその内容を、以下にまとめてました。
1.2.1 供託金
日本の「選挙」では、立候補時に「供託金」を納める必要があります。
これは立候補者が、一定以上の得票を獲得しない場合に没収されるシステムで、不適切な立候補を防ぐためのものです。
① 国政選挙(衆議院・参議院)
- 衆議院小選挙区:300万円
- 衆議院比例代表:600万円(比例区ごとに)
- 参議院選挙区:300万円
- 参議院比例代表:600万円
② 地方選挙
- 都道府県知事選挙:300万円
- 市区町村長選挙:50万円
- 地方議員選挙:30万円~60万円(自治体によって異なる)
供託
立候補の届出をする場合、全ての選挙において候補者ごとに一定額の現金または国債証書を法務局に預け、その証明書を提出しなければなりません。これを「供託」といいます。供託は、当選を争う意思のない人が売名などの理由で立候補することを防ぐための制度です。その候補者や政党等の得票数が規定の数に達しなかった場合や、候補者が立候補を辞退した場合には、供託されたお金や国債証書は全額(衆議院、参議院の比例代表選挙では全額又は一定の額)没収され、国や都道府県、市区町村に納められます。
引用元:総務省 選挙 立候補を目指す方へ
1.2.2 「選挙運動」にかかるお金「費用」
「選挙運動」にかかる「費用」は、運動資金に関して、公職選挙法で上限が定められており、その上限を超えて支出することは禁止されています。
① 国会議員選挙(衆議院・参議院)
- 衆議院小選挙区:最大約1,500万円
- 衆議院比例代表:最大約5,400万円(政党が管理)
- 参議院選挙区:最大約1,700万円
② 地方選挙
- 知事選挙:都道府県により異なるが、東京都知事選挙は上限約5億円
- 市区町村長選挙:最大約500万円~3,000万円(自治体の規模による)
- 地方議員選挙:最大約数百万円~1,000万円程度
1.2.3 「選挙運動」にかかるお金「費用」の主な項目
- ポスター印刷・掲示費用
選挙ポスターの制作、印刷、掲示作業にかかる費用。
法律で定められた掲示場所にのみ、ポスターを掲示できます。
ポスターのデザインや、印刷枚数によって費用は変動します。
費用例: 数十万~数百万円(ポスターのデザイン、印刷、掲示までのコストを含む) - 選挙ビラ・チラシの制作・配布費用
候補者の政策や主張を記載したビラやチラシの印刷費と配布費。
法律で配布できる枚数が規定されています。
費用例: 数十万~数百万円(枚数や紙の質、デザインによる) - 選挙カーの費用
車両のレンタル費、運転手やアナウンサーの人件費、燃料費などを含みます。
選挙カーは街中を回り、候補者名を連呼して知名度を上げる目的で使用されます。
費用例: 数十万円~数百万円(選挙期間中の車両レンタル、スタッフの報酬を含む) - 事務所運営費
選挙活動の拠点となる事務所の賃貸料や、スタッフの人件費、通信費、光熱費がかかります。
また、選挙運動の企画・管理を行うスタッフの雇用も費用に含まれます。
費用例: 数十万~数百万円(事務所の規模や場所により変動) - 街頭演説の設備費
街頭演説に必要なマイクやスピーカーなどの音響機器、設置作業にかかる費用。
また、場所を借りるための許可や申請費用も含まれます。
費用例: 数万円~数十万円(場所や設備規模により変動) - インターネットやメディア広告費
現代の選挙では、インターネットを活用した選挙運動が重要です。
SNSやウェブサイト、動画広告などの制作費と配信費がかかります。
また、新聞やテレビでの広告も含まれます。
費用例: 数十万~数千万円(媒体や広告の規模により大きく変動) - 運動員の報酬
選挙運動をサポートするスタッフや運動員には、交通費や報酬が支払われます。
選挙運動員は、選挙活動を支える重要な役割を果たし、法定の範囲内で支払われるべきです。
費用例: 数十万~数百万円(人数や活動日数により異なる) - その他の雑費
選挙中に必要となる日用品や物資、文具類、電話代などの雑費もかかります。
費用例: 数万円~数十万円
総費用として、国会議員選挙においては、1人の候補者が「数千万円から数億円」の費用をかけることが一般的だそうです。
一方で、地方議員選挙では、「数百万円から数千万円」が目安となるとのことです。
このように、「選挙」活動の種類、地域、規模に応じて費用が大きく異なるため、費用は候補者ごとに、かなり幅があるようです。
1.2.4 選挙費用の上限を超えた場合の処罰
選挙費用の上限を超えることは「公職選挙法」に違反し、罰則が科されます。
候補者自身だけでなく、選挙運動を手伝った者も、処罰対象となる場合があります。
2.「政治資金」の調達
政治家が活動するための「費用」は、合法的な方法で調達する必要があります。
日本において、政治家や政党が「費用」を調達するためには、法律に基づいた資金源を利用しなければなりません。
しかしながら、違法な資金調達方法も、過去には問題となってきました。
ここでは、「合法的な方法」と「違法となり得る方法」について、見ていきたいと思います。
2.1 合法的なお金「資金」の調達方法
- 寄付
個人からの寄付
一般市民や支持者からの寄付は、政治家や政党の活動資金の主要な一部です。
ただし、寄付額には上限が設けられています。
例えば、個人が一つの政党に対して「年間150万円まで」しか寄付できません。
企業や団体からの寄付
企業や労働組合などの団体からも、寄付を受けることが可能です。
ただし、政党に対する寄付は可能ですが、個々の政治家に対する企業・団体からの寄付は禁止されています(公職選挙法や政治資金規正法に基づく規制)。 - 政党助成金
政党は、国からの助成金を受け取ることができます。
この助成金は、政党の活動資金として使用され、税金で賄われています。
助成金は、各政党の国会議員の数や得票率に応じて配分されます。
政党助成金の目的は、政党の透明性を高め、クリーンな政治活動を推進することです。 - 政治資金パーティー
政治家や政党は、資金を調達するためにパーティーやイベントを開催し、その参加費用を資金として得ることができます。
これも公職選挙法に基づいて制限されており、イベントでの収入についても報告が必要です。 - 選挙公費負担制度
選挙にかかる一部の費用は、公費(税金)で負担されます。
例えば、ポスターの印刷費用や選挙カーの費用などが公費で賄われることがあります。
これにより、候補者が必要以上の負担を抱えず、選挙に参加できるようにする制度です。
2.2 違法となるお金「資金」の調達方法
政治活動には、多額の「費用」がかかるため、資金調達は政治家や政党にとって、重要な課題です。
しかし、その資金調達は、法律に基づいて行われるべきであり、違法な手段で資金を調達することは、重大な法的問題を引き起こします。
- 裏金・不正寄付
違法な寄付
企業や個人が法定の限度を超えた寄付や、違法な方法での寄付を行うことは違法です。
特に、匿名の寄付や、政治資金規正法を無視した資金の提供は問題となります。
これは「裏金」と呼ばれ、政治家と企業の癒着を引き起こすこともあります。
企業献金の違法利用
法的には、企業や団体からの献金は政党に対しては許されていますが、個々の政治家に直接献金することは法律で禁止されています。
それを違法に受け取った場合、政治資金規正法違反となります。 - 利益供与・賄賂
政治家が、特定の企業や個人からお金を受け取る代わりに、その企業や個人に利益を与えること(例えば、公共事業の入札で便宜を図るなど)は賄賂となり、刑事罰が科されます。
賄賂の授受は明確に違法です。 - 選挙での不正な金銭支払い
選挙期間中に、有権者にお金を渡して投票を依頼する行為(いわゆる買収行為)は、公職選挙法に違反します。
買収行為は、過去においても頻繁に問題視され、逮捕者が出ることもあります。 - 不正な政治資金報告
政治資金は、法律に基づいて厳格に報告する義務がありますが、意図的に収入や支出を隠したり、虚偽の報告を行ったりすることは違法です。
過去には、政治資金収支報告書に虚偽記載をして問題となったケースもあります。
3.選挙運動や政治資金に関する主な法律
「選挙運動」や「政治資金」に関する主な法律は、政治の透明性と公正性を保つために制定されています。
これらの法律は、選挙の運営や資金の管理に関わる基本的なルールを定め、政治家や政党が法律に従って活動することを義務付けています。
選挙や政治資金に関する、主な法律について、見ていきたいと思います。
3.1 公職選挙法
「公職選挙法」は、選挙に関する規定を定めた法律で、日本の選挙制度を規律する法律です。
この法律は、選挙運動の方法や投票の手順、選挙に関する禁止行為、罰則などを定めています。
主な規定には、
①選挙運動の期間や方法(例:ポスター掲示、街頭演説、選挙カー使用のルール)。
②選挙における買収や不正行為の禁止。
③投票や選挙運動に関する公費負担制度(一定の条件を満たした場合、選挙費用の一部を公費で賄う制度)。
などが有ります。
現行の選挙運動の規制
現行の公職選挙法では、選挙の公正、候補者間の平等を確保するため、選挙運動期間中に行われる文書図画の頒布・掲示その他の選挙運動について一定の規制を行っています。インターネット等による情報の伝達も、文書図画の頒布に当たるものとして規制されてきました。 今回の公職選挙法改正により、インターネット等を利用した選挙運動のうち一定のものが解禁されることとなりました。一方で、今までどおりの規制もありますので、注意が必要です。
(注)掲載内容は、平成25年の制度改正時点のものであり、現在は18歳以上(有権者)になれば選挙運動ができます。
【選挙運動とは】
判例・実例によれば、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。
【選挙運動期間に関する規制】
選挙運動は、選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までしかすることができません(公職選挙法第129条)。
違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。【未成年者等の選挙運動の禁止】
未成年者(年齢満20歳未満の者)は、選挙運動をすることができません(公職選挙法第137条の2)。
違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。
また、以下の者も選挙運動を禁止されており、それぞれ、違反した場合の罰則が定められています。
- 選挙事務関係者(投票管理者等)(公職選挙法第135条)
- 特定公務員(裁判官、検察官、警察官等)(公職選挙法第136条)
- 選挙犯罪等により選挙権及び被選挙権を有しない者(公職選挙法第137条の3)
(注)掲載内容は、平成25年の制度改正時点のものであり、現在は18歳以上(有権者)になれば選挙運動ができます。
【文書図画の頒布の規制】
選挙運動のために使用する文書図画※は、インターネット等を利用する方法により頒布する場合を除き、公職選挙法第142条に規定された一定のもののほかは、頒布することができません。
引用元:総務省 現行の選挙運動の規制
したがって、ウェブサイト等に掲載され、又は電子メールにより送信された文書図画であっても、それを紙に印刷して頒布することはできません。
違反した者は、2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第243条第1項第3号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。※文書図画について 公職選挙法における文書図画とは、文字若しくはこれに代わるべき符号又は象形を用いて物体の上に多少永続的に記載された意識の表示をいい、その記載が象形による場合を図画といい、文字又はこれに代わるべき符号による場合を文書というものとされています。判例上、コンピュータのディスプレイ上に現れた文字等の表示も、公職選挙法上「文書図画」と解されています。
公職選挙法については、こちらを参考にしてください。
PDF資料は、こちらを参考にしてください。
違反の例: 候補者が有権者に金銭を渡す買収行為、違法な選挙運動(規定外の場所での選挙活動など)は公職選挙法違反となり、刑事罰が科されることがあります。
引用元:総務省 選挙違反と罰則
3.2 政治資金規正法
「政治資金規正法」は、政治家や政党が資金をどのように調達し、どのように使用するかを規律する法律です。
政治資金の透明性を確保し、違法な資金提供や不正利用を防ぐことを目的としています。
主な規定は、
①政治資金収支報告書の提出義務(年間の収支を公的に報告し、公開する義務)。
②個人や団体からの寄付金の上限設定(個人が寄付できる金額の上限は年間150万円、企業や団体の寄付に対しても制限あり)。
③企業や団体が政治家個人に直接寄付することを禁止(政党に対する寄付は許可される)。
などが有ります。
政治資金の規正
政治資金規正法は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、(1)政治団体の届出、(2)政治団体に係る政治資金の収支の公開、(3)政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正、(4)その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的としています。
詳しい解説は政治資金規正法のあらましをご覧ください。
引用元:総務省 政治資金の規制
違反の例: 寄付金の隠蔽、虚偽の収支報告書を提出する行為は、政治資金規正法違反として罰則の対象となります。
3.3 政党助成法
「政党助成法」は、国が政党に対して公的資金を助成するための法律です。
これにより、政党は企業や団体からの寄付に依存せず、クリーンな資金源で活動を行うことが奨励されています。
主な規定は、
①政党助成金の交付基準(国会議員数や選挙での得票率に基づいて助成金が配分される)。
②助成金の使途や使途報告の義務。
などが有ります。
「政党助成金制度」は、政治資金の透明性を高め、企業や団体からの影響を減らすことを、目的としています。
政党助成制度
政党助成制度は、国が政党に対し政党交付金による助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした制度です。
もくじ
引用元:総務省 政党助成制度
政党助成法については、こちらを参考にしてください。
PDF資料は、こちらを参考にしてください。
4.「政治と金」の問題
「政治と金」の問題は、政治の公平性や透明性、そして国民の信頼を揺るがす点で、重大です。
ここまで見てきたように、政治活動には、多額のお金が必要です。
選挙活動、広報活動、政策調査、政党運営など、多岐にわたる活動には資金が不可欠です。
しかし、その資金がどのように調達され、どのように使われるかが、問題視されます。
その主な理由について、見ていきたいと思います。
4.1 政治資金の使われ方が問題視される理由
- 透明性の欠如による信頼の失墜
政治活動に関わるお金が不透明であったり、不正に使用されたりすると、国民は政治家や政党に対する信頼を失います。
特に、「裏金」や企業献金などが公にされず、非公開の形で使われる場合、選挙や政策決定の過程に影響を及ぼす可能性があります。
これにより、政治家が、公約よりも特定の利益団体に、有利な政策を推進するという不信感を、国民に与えます。 - 腐敗や利益誘導の温床
資金が、特定の企業や団体から提供され、その見返りに有利な政策が進められる場合、政治腐敗が発生します。
たとえば、大企業や富裕層が多額の献金を行うことで、彼らに有利な税制や規制緩和が、進められる可能性があります。
これは、民主主義の公平性を損ない、特定の利益が優先されることで、一般市民が不利益を被ることがあります。 - 選挙の不公平性
資金力の差が、選挙の結果に大きく影響する場合、公平な選挙が成立しません。
多額の資金を持つ候補者が、広告や宣伝で有利な位置に立つことで、資金に恵まれない候補者が、選挙戦で不利な立場に置かれることがあります。
これにより、有権者の選択肢が、実質的に制約され、結果的にお金のある者だけが、政治に影響力を持つという、不公平な状況が生じます。 - 法令違反や不正のリスク
政治資金規正法などの法律に違反した資金調達や、使用が行われた場合、それは法的な問題に発展します。
特に、収支報告書に虚偽の記載があったり、違法な献金が行われたりした場合、政治家が法に背く行動を取ったことになります。
これにより、政治家のモラルや倫理観が問われ、政治全体の健全性が損なわれます。 - 政策の公平性と公正性
政治家が、特定の寄付者や団体に影響されることで、政策が歪められる可能性があります。
本来は、全ての国民にとって、公平な政策を進めるべき政治家が、寄付者の利益を優先することは、民主主義における「国民のための政治」の原則に反します。
4.2 求められる政治家の姿勢
政治活動に、お金が必要であることは事実ですが、それが不透明であったり、不正に使われたりすると、国民の信頼を失い、政治全体の健全性を損なう可能性があります。
したがって、資金の透明性や、公正性が確保されることが、極めて重要です。
確かに、「政治にはお金が掛かる」という主張は正しいですが、以下のような、健全な方法で資金を管理することが求められます。
- 公明正大な資金調達
企業や個人からの献金を適正に受け入れ、透明な形で報告する。 - 国民に対する説明責任
どのように資金を使ったのかを国民に説明し、資金の流れを公開する。 - 公平な選挙環境の維持
資金力の差に関わらず、候補者が公平に、選挙活動を行える仕組みを整える。
5.政治家が「政治資金に関する法律」を破る理由
政治家が、政治資金に関する法律を破る理由や、給料や特権があるにもかかわらず、不正行為に手を染める背景は、いくつかの複雑な要因が関わっているようです。
ここでは、なぜ政治家が法律を破ることがあるのか、そして給料や特権に関連する問題について、見ていきたいと思います。
5.1 法律を破る理由
- 選挙に対するプレッシャー
落選の恐怖
政治家にとって、選挙での落選は、大きなプレッシャーです。
選挙に勝つためには、多額の資金が必要です。
特に、選挙運動の広告費、スタッフの給与、選挙事務所の運営費などがかかり、これらを正当な資金源だけでまかなうことが難しい場合、違法な資金調達に手を出すことが、考えられます。
選挙における激しい競争や、支持者からのプレッシャーが、不正行為に繋がる一因もあるようです。
支持基盤の強化
政治家は、地域や支持者とのつながりを維持し、次の選挙で再選を果たすために、しばしば資金を使います。
企業や団体からの支援を得るため、彼らの利益に応じた行動を取り、それが、違法な献金や利益供与に繋がることがあるようです。 - 政治家の給料と特権
給料の実情
日本の国会議員の年収は、「約2,000万円ほど」と言われています。
これは非常に高額で、加えて公用車や住居、交通費などの特権もあります。
しかし、政治家の活動には公務だけでなく、選挙運動や地域活動、様々な経費がかかります。
これらの活動にかかる費用は、議員個人が負担する部分も多く、実際の収入に対して支出が大きくなることがあるようです。
不足感を感じる理由
高額な給料があっても、選挙や政治活動に多額の費用がかかるため、資金が不足するケースもあります。
特に、派閥のリーダーシップ争いや、支持基盤の維持には、多額の資金が求められるため、違法な手段に頼るケースもあるようです。 - 特権の乱用と汚職のリスク
特権の多さ
政治家には、多くの特権がありますが、それが逆に、汚職のリスクを高めることがあります。
特に、企業や団体とのつながりを持つことで、見返りとして不正な献金や便宜供与を行うケースがあり、これが法律違反に繋がります。
権力の集中
政治家は、大きな権力を持っており、それを利用して私利私欲を満たそうとする、誘惑もあります。
長期にわたって権力を持ち続けると、倫理的な判断力が鈍る場合があり、法律違反に手を染めることがある様です。 - 政治文化と歴史的背景
政治の慣習
一部の政治家にとって、違法な資金調達が、「慣習化」している場合もある様です。
特に、過去の日本では、政治と企業の癒着が深く、企業献金や便宜供与が、当たり前のように行われていた時代がありました。
このような過去の慣習が、現代にも影響を及ぼしている可能性があります。
派閥と支援者への依存
日本の政治では、派閥や地域の支持者とのつながりが、重要視されており、これらの関係を維持するために、多額の資金が必要です。
派閥内での地位を維持するための資金競争や、支持者からの強い要求が、違法行為を引き起こす要因となり得ます。 - 不正行為を防ぐ取り組み
政治資金規正法や公職選挙法は、こうした不正行為を防ぐために存在しますが、現実的には、全ての政治家が法を守るわけではありません。
不正が発覚すれば、政治生命を失うリスクが大きく、厳しい罰則が科される可能性があります。
それにもかかわらず、一部の政治家は、目先の利益や選挙での勝利を優先してしまう様です。
国会議員の給料は「歳費(さいひ)」と呼ばれます。「歳費」とは、国会議員に支給される報酬のことで、国会議員の活動に対する給料や手当を指します。日本では、国会議員に対する歳費は法律によって定められています。
歳費の内訳
- 基本給(歳費本俸)
これは、国会議員が毎月受け取る基本的な給料に相当します。衆議院議員、参議院議員ともにほぼ同額で、一般的な国家公務員の給与水準を基に決められています。 - 文書通信交通滞在費
国会議員の事務所運営や通信費、交通費、滞在費などの経費として支給される費用です。これは議員活動にかかる諸経費をカバーするためのものですが、使用報告義務がないため、透明性が問題視されることもあります。 - 期末手当(ボーナス)
国家公務員同様に、国会議員にも期末手当が支給されます。年に2回(6月と12月)、ボーナスとして支払われます。 - 立法事務費
これは、国会議員の政策立案活動を支援するための費用です。議員個人ではなく政党や会派に対して支給されます。 - その他の手当
議長、副議長などの役職に就いている議員には、さらに役職手当が支給されます。
これらの歳費は、国会議員が活動するために必要な経費も含んでいますが、歳費そのものが「給料」という位置づけであり、政治家の生活を支える基盤となっています。
国会議員の歳費の透明性や妥当性については、時折議論の的となることがありますが、現在も法律に基づき支給が行われています。
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。
引用元:e-Gov法律検索 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律に関するPDF資料は、こちらを参考にしてください。
5.2 法律を破る理由 総括
この様に、政治家は、高額な給料と特権を持っていますが、選挙や政治活動には莫大な費用がかかり、資金が不足する場合もあるようです。
また、選挙に勝つためのプレッシャーや、支持基盤を強化するための要求が、違法な資金調達に手を染めさせる、要因の一つと考えられます。
加えて、政治の慣習や権力の乱用が、不正行為を引き起こす要因にもなり得るため、政治の透明性を高め、厳格な監視と法律の適用が不可欠です。
6.「政治に関する裏金」と「裏金の実態」
「裏金(うらがね)」とは、通常は不正に隠して管理される、お金のことを指します。
「政治に関する裏金」とは、政治家や政党が公的に報告されない、あるいは違法な形で手に入れた資金を指します。
このような「裏金」は、法律に反する資金の受け渡しであり、政治資金規正法や公職選挙法に違反する行為として、重大な犯罪行為となります。
ここまで見てきたように、政治家が政治を行う上で、多額の資金が必要になり、この様な不正行為に手を染め、その行為を隠すために、「裏金」というものが、存在してしまうようです。
「裏金」は、正式な記録に残されず、透明性を欠いた形でやり取りされるため、通常の政治資金と比べて不正行為や腐敗に結びつきやすいと言われています。
以下は、政治に関わる「裏金」の主な特徴です。
6.1 「裏金の実態」
- 非公開の資金
「裏金」は、公的な報告書(政治資金収支報告書など)には記載されません。
これは、政治資金規正法によって義務付けられている報告書に反しているため、違法です。 - 不透明な出所
「裏金」の出所は、明らかにされないことが多く、特定の企業や団体、個人が政治家に対して便宜を図るために提供する場合があるようです。
このような資金は、見返りとして政治的な便宜や公共事業の受注など、見返りを期待して行われることが多いと思われます。 - 見返りとしての便宜供与
「裏金」を提供する側は、政治家に対し、何らかの便宜を期待していると思われます。
たとえば、公共事業の受注、規制の緩和、税制優遇などが見返りとして提供されることがあるようです。
このような行為は、賄賂とみなされ、法律に違反します。 - 違法な選挙資金
選挙には、多額の資金が必要であり、「裏金」は、しばしば選挙運動に使用されるようです。
公職選挙法により、選挙運動にかけられる資金や、選挙運動の範囲は、厳しく制限されていますが、「裏金」は、これらの規定を無視して使われることがあるようです。
選挙活動に多額の「裏金」を使うことで、選挙の公平性が損なわれます。
6.2 「裏金」が発生する理由
- 選挙の激しい競争
選挙に勝つために、多額の資金が必要です。
特に、大規模な選挙区で活動する国会議員や、地方議会議員の場合には、選挙運動の費用は高額になります。
合法的な資金だけでは不足するため、「裏金」に頼るケースがあると思われます。 - 政党や派閥の資金競争
政党や派閥内での競争が激化すると、「裏金」を利用して、支持者をつなぎとめたり、影響力を強めたりすることがあるようです。
派閥内での資金争いは、違法な資金源に依存する政治家を生む、原因の一つになると思われます。 - 企業や団体の影響力
特定の企業や団体が、政治的な影響力を得るために、「裏金」を提供することがあるようです。
これらの企業は、政治家に対して有利な政策や公共事業の受注を期待し、違法な資金を提供すると思われます。
6.3 「裏金」の違法性とリスク
「裏金」を使用することは、法律違反であり、政治家が発覚すると、厳しい処罰が待っています。
主な法律違反は、以下の通りです。
- 政治資金規正法違反
政治資金の収支報告を適切に行わず、「裏金」を使った場合は、違法です。
虚偽報告や収支の不記載は、厳罰に処されます。 - 公職選挙法違反
選挙運動に違法な資金を使用した場合、罰則の対象となります。
特に、買収行為などの違法行為には、重い刑罰が科されます。 - 贈収賄罪
「裏金」を受け取った見返りに、政治家が特定の利益を与えた場合、贈収賄罪となり、刑事罰が科されることがあります。
「裏金」が発覚すると、政治家にとって、致命的な影響を与えます。
過去には、裏金スキャンダルによって、政治生命を絶たれた多くの事例があります。
政治家が、不正な資金を受け取っていた事実が公になれば、信用を失い、次の選挙で落選する可能性が高まるだけでなく、刑事罰を受けることにもなります。
「政治に関する裏金」は、政治の透明性や、公正性を損なう、違法な資金です。
「裏金」は、選挙に勝つためや、特定の団体や企業の利益を図るために使われ、政治資金規正法や公職選挙法に違反する行為です。
「裏金」の存在は、政治の信頼を損なうだけでなく、発覚した場合には、厳しい刑事罰が科されるため、政治家にとっては、大きなリスクを伴います。
7.「裏金問題」とは
「裏金問題」は、派閥内での資金運用が不透明であることが、問題視されました。
特に、「資金が政治資金収支報告書に正確に記載されていない」ことや、「派閥の活動資金が不明確なルートで流用された可能性がある」とされ、以下の点が問題になっています。
7.1 問題点は何か?
派閥による「裏金問題」は、「資金運用の不透明さ」や、「収支報告の不備」が、問題の核心にあります。
資金の流れが、適切に管理されていなかったことから、「裏金」や「不正な資金配分」が疑われており、「政治資金規正法」に違反している可能性があります。
この問題は、派閥内の権力争いや、政治的影響力の維持に関連する要素も含んでおり、派閥の信頼性や、政治的な立場に大きな影響を与える事態となっています。
- 資金の不透明な流れ
問題の核心は、派閥内での資金運用が適切に管理されておらず、数億円規模の資金の一部が「収支報告書に記載されていなかった」とされる点です。
日本の政治資金規正法では、政治活動に使われた資金の流れは全て報告され、透明に管理されるべきですが、ある派閥では、その一部が適切に報告されていない疑いがあります。
収支報告書の不正確さ
派閥活動に関する資金収支の記載に不備があり、派閥内での実際の資金の動きが、外部からは見えにくい状態になっていたことが、指摘されています。
帳簿外の資金
一部報道では、派閥内で「裏帳簿」が存在し、正式な帳簿とは別に、派閥独自の資金管理が行われていた、可能性があるとされています。
この裏帳簿に記載された資金は、公式な報告には含まれていないため、法的な報告義務を逸脱していた可能性があります。 - 派閥内での不透明な資金の配分
派閥内での、資金の配分も問題となっています。
党内の派閥リーダーや幹部が、他の派閥メンバーに対して、資金を分配する際の基準やルールが不透明で、一部のメンバーに優遇された形で、資金が流れていた疑いがもたれています。
派閥メンバーへの「手当」
派閥内では、メンバーへの金銭的な支援が行われることがあり、これは派閥運営の一環として通常のことですが、ある派閥では、特定のメンバーに対して、不正に高額の手当が支給されていた可能性が、指摘されています。
これが、派閥内での影響力を強めるために、使われたのではないか、との批判があります。 - 派閥の資金源に関する疑念
派閥がどのようにして、その多額の資金を調達していたのかについても、疑念が持たれています。
派閥の資金源として、企業や団体からの寄付が、含まれている場合、それが適切な形で報告されていないと、資金提供者の影響力が、隠される可能性があり、不透明な資金源が疑われます。
企業や団体からの資金提供の不透明さ
派閥が、多額の資金をどのように調達していたのかが明確ではなく、一部の企業や団体からの、不正な寄付や支援が背景にある、可能性が考えられています。
特に、企業名義での寄付や資金提供が、適切に報告されていなかった場合、企業が派閥の影響力を通じて、政策に影響を与えたのではないか、との懸念が生じています。 - 政治資金規正法違反の可能性
日本の政治資金規正法では、政治団体や派閥が受け取った、寄付や支出のすべてを、明確に報告する義務がありますが、ある派閥では、この報告義務が適切に果たされていなかったとされます。
報告義務を怠ったり、虚偽の報告を行った場合、罰則の対象となり得ます。
法的責任の追及
資金運用に関する不備が判明した場合、派閥幹部や資金管理を担当していた人物が、政治資金規正法違反で、処罰される可能性があります。
また、これによって、派閥全体の信頼性が損なわれ、政治的影響力にも、打撃を与えることになります。 - 政治的影響と派閥内の権力争い
派閥の資金問題は、派閥内の権力争いや、内部の対立が背景にある、とされています。
ある派閥においては、派閥のリーダーシップを巡る争いが激化し、資金の管理や、分配に関する不正が、表面化した可能性があります。
この問題が、派閥内の分裂や、影響力の低下につながる恐れもあります。
派閥リーダーシップの弱体化
派閥のリーダー後継者問題や、派閥内の主導権を巡る争いが表面化し、資金問題がその一端として、露呈した可能性があります。
内部の対立や、不信感が高まることで、派閥全体の団結力や、政治的影響力が弱まるリスクがあります。
8.「裏金」の温床か?「政治資金パーティー」
「政治資金パーティー」は、資金調達の一環として合法的に行われていますが、その一方で、「裏金」の温床になるのではないかという、懸念も一部で指摘されています。
「政治資金パーティー」が、「裏金」の原資となる可能性については、いくつかの要因が影響しています。
- パーティー券の販売に関する透明性の問題
「政治資金パーティー」は、多くの場合、パーティー券を販売して、参加者から資金を集める方式です。
しかし、次のような理由で「裏金」の温床になる可能性があります。
購入者の匿名性
パーティー券を購入した人や、企業が誰なのかが曖昧な場合、実際に誰が資金を提供したのかが明確でないことがあります。
例えば、企業が社員名義で、分散してパーティー券を大量に購入することがあり、これが事実上、企業からの大口寄付として、扱われる可能性があります。
不透明な報告
購入者が、名義を偽って寄付することや、パーティー券の販売数が過大に報告されることで、実際には、収支報告書に記載されていない、不正な資金が発生するリスクがあります。
資金の流れが不透明なため、「裏金」としてプールされることも可能です。 - 収支報告書の記載不備
「政治資金パーティー」の収益は、法律で定められた、政治資金収支報告書に、記載される必要がありますが、以下のような不備が、発生することがあります。
パーティーの開催が形式的
実際には、パーティーが開催されず、形式的にパーティー券を販売して、資金を集めた場合、収支報告書にはパーティーが行われたかのように、記載されることがあります。
これは「裏金」として、資金を得る手段になり得ます。
報告書の虚偽記載
パーティーで集めた金額や支出が、実際の額と異なる場合、虚偽の報告書を提出することで、「裏金」を蓄積する可能性があります。 - 企業・団体からの影響力
企業や団体が、「政治資金パーティー」を通じて、大量の資金を提供することは、政治家に対して影響力を持つ手段ともなり得ます。
表向きは、パーティー券の購入という形を取っていても、実質的には、賄賂や便宜供与の一形態である可能性があると、批判されることがあります。
パーティー券購入を利用した利益供与
企業や業界団体が、特定の政治家や政党に対して、多額の資金を提供し、その見返りとして特定の政策や、規制の緩和を求めることもあります。
これにより、「政治資金パーティー」が利益誘導の手段として利用され、「裏金」として扱われる可能性があります。 - 監督の不十分さ
政治資金規正法によって、収支報告書の提出が義務付けられているものの、監視や監査が十分に行われていない場合や、違反が発覚した際の罰則が軽い場合、パーティーを利用した「裏金」の発生を防ぐことが難しくなります。 - 政治資金パーティーの合法性
「政治資金パーティー」自体は、合法的な資金調達方法として、認められていますが、透明性の確保や、ルールの厳格な運用が重要です。
寄付金とは異なり、パーティー券の販売については、寄付額の上限がないため、非常に大きな資金が集まることがあり、その規模と使途に、疑念が生じることもあります。
パーティー券の購入者や、購入額を明確にしない場合や、パーティーが実質的に開催されていない場合には、「裏金」の原資として、利用される可能性がある、との懸念があります。
9.まとめ
【2024年衆議院議員総選挙】を迎えるにあたり、政治と金の問題が、再び焦点となっています。
ここまで見てきたように、政治家には、選挙や日々の活動に多額の資金が必要ですが、その資金調達方法が、しばしば問題を引き起こしています。
合法的な手段だけでは資金が不足することが多く、政治家は「裏金」に頼るケースもあるようです。
「裏金」とは、政治資金規正法や公職選挙法に違反し、非公開で受け取る、不正な資金のことです。
主に公共事業の受注をめぐって、企業からの見返りとして提供されることが多く、賄賂やキックバックの形で、やり取りされることがあるようです。
このような「裏金」は、政治の透明性や公正さを損ない、民主主義に対する信頼を失わせる要因となります。
「裏金」を受け取ることは、重大な犯罪であり、発覚すれば政治生命を失い、刑事罰も科されます。
それにもかかわらず、資金不足や選挙の激しい競争が、不正資金に手を染めさせる背景にあります。
迫る【2024年衆議院議員総選挙】において、国民に求められるのは、正しい政治が公正かつ公平に行われる環境を、取り戻すための選択です。
日本は、「失われた30年」と呼ばれる、長期的な経済停滞や、政治の信頼低下を経験してきました。
その一因には、「政治と金の問題」や、「不透明な資金の流れ」が関与していることが、指摘されています。
今こそ、透明性と倫理を重んじ、国民の利益を最優先にする、「政党」や「議員」を選ぶことが重要です。
私たち有権者一人ひとりが、しっかりと候補者や政党の政策や姿勢を見極め、日本の未来を託せるリーダーを、選ぶ責任を担っています。
この選挙は、次の世代に誇れる社会を築くための、重要な機会となります。