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【全個体電池がEVに搭載!?】全個体電池のメリット・デメリットと各メーカーの開発状況

バッテリーのイメージ ニュース

日本では、なかなか自動車の「電気自動車(EV)」化が進んでいないようだが、その原因の1つにあげられるのは、「バッテリーに関する不安が大きい」という事だろう。

今現在、「電気自動車(EV)」のバッテリーは、充電時間が長く、航続距離が短い、充電設備が整っていない、など、車を運転するための重要な部分に、多くの人が不安を感じているようだが、吾輩もその一人だ。

吾輩は10年前、これらの問題が解決されれば、「電気自動車(EV)」を購入しようと考えていたが、残念ながら10年経った今、まだその域に「電気自動車(EV)」は達してはいない。

だが最近、「電気自動車(EV)」購入のための、積極的な動機付けにつながるニュースがあった。

それは、「電気自動車(EV)に「全個体電池」の搭載車の市場投入を目指す。」というもので、

注目が集まってきている。

ここでは、「全個体電池」のメリットやデメリットについて、見ていきたいと思う。

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全個体電池とは

「全固体電池(All-Solid-State Battery、ASSB)」は、従来のリチウムイオン電池とは異なり、電解質として固体材料を使用する電池のこと。

従来のリチウムイオン電池は液体電解質を使用しているが、「全固体電池」は液体ではなく、固体の電解質を用いるため、いくつかの重要な利点と特性がある。

全固体電池の動作原理

「全固体電池」は、従来のリチウムイオン電池と同様に、充放電サイクルを通じて電力を供給する。

充電時には、リチウムイオンが正極から負極へと移動し、放電時にはその逆にリチウムイオンが移動する。

固体電解質は、このリチウムイオンの移動を媒介するが、液体電解質と異なり、漏れや揮発性の問題がない。

〈図〉リチウムイオン電池の構造

正極と負極が触れ合わないように、セパレータが存在。セパレータはリチウムイオンを通し、流れを阻害しない。

〈図〉全固体電池の構造

電解質が固体で正極と負極が触れ合わないため、セパレータはない。

引用元:東京電力エナジーパートナー 全固体電池をわかりやすく解説。従来の電池との違い、トヨタ・日産・ホンダの開発状況

「全固体電池」は、大きく「バルク型全固体電池」と「薄膜型全固体電池」とに分けることができる。

  • 【バルク型全固体電池】
    バルク型全固体電池は、一般的なリチウムイオン電池と構造的には似ており、違いとしては固体電解質を使用している点。そのため、実用化においては、高い導電率を示す固体電解質の開発や、界面形成が容易な固体電解質の開発がカギとなっている。
  • 【薄膜型全固体電池】
    薄膜型全固体電池は、気相法(スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法など)を用いて薄膜を積層させることにより、作製されている。
    すでに実用化されており、サイクル寿命に優れていることが実証されている。
引用元:一般財団法人新エネルギー財団 全固体電池 | 新エネルギー「最近の話題・キーワード」解説コーナ
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全固体電池のメリット

「全固体電池」には、以下のようなメリットがある。

1.高い安全性

  • 液体電解質がないため、漏れや火災のリスクが大幅に低減される。

2.長い航続距離

  • 高いエネルギー密度により、一回の充電で走行できる距離が大幅に延びるため、長距離ドライブがより実現しやすくなる。

3.短い充電時間

  • 全固体電池は急速充電が可能であり、充電時間が大幅に短縮されるため、充電ステーションでの待ち時間が減少し、利用者の利便性が向上する。

4.高いエネルギー密度

  • リチウム金属アノードの使用により、エネルギー密度が高くなり、より長時間の稼働が可能になる。
  • 高いパワー密度により、より高い出力を瞬時に提供することが可能になるため、加速性能が向上し、より快適な運転が実現する。

5.長寿命

  • 固体電解質の安定性により、電池の劣化が遅く、電池の寿命が長くなるため、電池交換の頻度が減り、メンテナンスコストも低くなる。

6.広い動作温度範囲

  • 全固体電池は、高温および低温でも安定して動作するため、寒冷地や暑い地域でも性能が維持されるので、様々な環境条件下での使用が可能になる。

7.軽量化

  • 全固体電池は構造上、軽量化が可能であり、車両の総重量を減らすことができるため、車両のエネルギー効率が向上し、走行性能も改善される。

全固体電池のデメリット

「全固体電池」には、以下のようなデメリットがある。

1.製造コストの高さ

  • 固体電解質材料の製造と加工には、高度な技術と高コストが伴う。

2.スケールアップの難しさ

  • 大規模生産における製造プロセスの確立がまだ進んでいないため、量産化が難しいとされている。

3.界面抵抗

  • 固体電解質と電極との界面での抵抗が高く、これが電池の性能を低下させる可能性がある。

近年、「全固体電池」の安全性が注目され、自動車メーカーや電機メーカーの間で研究開発が盛んに行われている。

全固体電池のメーカーの開発状況

  1. トヨタ(Toyota):日本
    • トヨタは、全固体電池の研究開発において先行しており、2020年代半ばまでに全固体電池を搭載した車両を市販する計画がある。
  2. パナソニック(Panasonic):日本
    • パナソニックは、全固体電池の研究開発を進めており、トヨタと共同で自動車用全固体電池の実用化を目指している。
  3. Samsung SDI(サムスンSDI):韓国
    • サムスンSDIは、全固体電池のプロトタイプを発表し、将来的には高性能な電動車両用電池として市場投入を目指している。
  4. QuantumScape(クァンタムスケープ):アメリカ合衆国
    • アメリカのスタートアップ企業であるQuantumScapeは、全固体電池の技術開発において大きな進展を見せており、同社はフォルクスワーゲンと提携し、商業化に向けた取り組みを加速している。
  5. Solid Power(ソリッドパワー):アメリカ合衆国
    • Solid Powerは、BMWやフォードと提携し、高エネルギー密度の全固体電池の開発を進めており、試作段階から量産化への移行を目指している。
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まとめ

「全固体電池」の商業化は、まだいくつかの課題が残っているが、多くの企業が積極的に研究開発を進めており、今後の進展が期待されている。

そして、「全固体電池」の技術が進展し、EVに広く搭載されることで、利用者にとっては安全性、利便性、経済性の向上といった多くのメリットがもたらされるだろう。

これにより、EVの普及がさらに進み、環境負荷の低減にも寄与することが期待されるところだが、吾輩は、1充電にかかる時間は10分、走行距離1000km、最低10年は電池交換無し、車両の価格は700万円以下の要件がクリアーされたら、購入を考えてみたいと思っている。

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