ところで、皆さんは「人は何故、働くのか?」と、考えたことはあるだろうか?
働く理由は、人それぞれ。
生活のため、お金を稼ぐため、スキルを磨くため、自己実現のため・・・。
さまざまな答えが、あるだろう。
新入社員の皆さんは、これから始まる「働く」という日々に、期待と不安が入り混じっている事だろう。
しかし、働く中で、気づいてほしい、大切なことがある。
そして、これからの仕事を通じ、自分がどんな形で、社会や人々に貢献できるのか、見つけてもらいたい。
ここでは、働くことの楽しさや、その意義について、一緒に考えてみたい。
働くって何だろう?
皆さんは、これから社会人として働くことになるが、「労働って何だろう?」「働くって何だろう?」と考えたことはあるだろうか?
辞書的な意味では、「体を使って働く事。収入を得る目的で、体や知能を使って働く事。」とある。
もう少し解像度を上げてみると、「労働とは、自分の力や知識、アイデアを使って、誰かのために何かをすること。」であり、その結果としてお金をもらったり、社会で役割を果たしたりするのが、働くということである。
平成26年(2014年)6月に行われた、内閣府の世論調査では、「働く目的は何か」という問いについて、以下の様な、回答結果が得られている。
(2)働く目的は何か
働く目的は何か聞いたところ,「お金を得るために働く」と答えた者の割合が51.0%,「社会の一員として,務めを果たすために働く」と答えた者の割合が14.7%,「自分の才能や能力を発揮するために働く」と答えた者の割合が8.8%,「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合が21.3%となっている。
引用元:内閣府 世論調査 国民生活に関する世論調査
前回の調査結果と比較して見ると,「お金を得るために働く」(48.9%→51.0%)と答えた者の割合が上昇し,「社会の一員として,務めを果たすために働く」(16.1%→14.7%)と答えた者の割合が低下している。
性別に見ると,「社会の一員として,務めを果たすために働く」と答えた者の割合は男性で,「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
性・年齢別に見ると,「お金を得るために働く」と答えた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代から50歳代で,「社会の一員として,務めを果たすために働く」と答えた者の割合は男性の50歳代から70歳以上で,「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は男性の70歳以上,女性の60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。
従業上の地位別に見ると,「お金を得るために働く」と答えた者の割合は雇用者で,「社会の一員として,務めを果たすために働く」と答えた者の割合は自営業主,その他の無職で,「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は自営業主,家族従業者,主婦,その他の無職で,それぞれ高くなっている。
職業別に見ると,「お金を得るために働く」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職,販売・サービス・保安職,生産・輸送・建設・労務職で,「社会の一員として,務めを果たすために働く」と答えた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「生きがいをみつけるために働く」と答えた者の割合は農林漁業職で,それぞれ高くなっている。
この様に、内閣府の世論調査によれば、働く目的について、最も多かったのは、「お金を得るために働く」であり、その割合は「51.0%」だった。
働く理由の多様性
この世論調査での回答結果は、至極当然なことで、人は生きていくためにはお金が必要である事は間違いない。
そして、お金を得るのは結果であり、どの様に働くのか働く理由(目的)については、百人百様であり多様だが、大きく分けると、以下のようなものがある。
- 生活のため:収入を得て生活を支える
- 社会への貢献:社会の一員としての役割を果たす
- 自己実現:自分の能力や夢を形にする
- 成長のため:スキルアップや人間的な成長
- 認められるため:他人からの評価や承認欲求を満たす
- つながりのため:仕事を通じて人や社会との関係を築く
- 楽しみや生きがいのため:好きなことをして充実感を得る
さらに言えば、労働には、2つの大事なポイントがある。
- 自分の力を使うこと
体を動かしたり、頭を使ったりして、自分にできることを、仕事に活かす。 - 誰かのためになること
労働は、必ず誰かの役に立っている。
作った商品を、誰かが使ったり、提供したサービスで、誰かが助かったりする。
これから働く中で、「自分の仕事が、誰のためになっている。」と考えると、仕事のやりがいや楽しさが見えてくるはずだ。
労働は、ただの「作業」ではなく、人と社会をつなぐ大切な活動なのだ。
最も大切な理由:「人に喜んでもらうため」
吾輩が考える働く理由は、「人に喜んでもらうため」である。
なぜなら、人に喜んでもらえる仕事に共通しているのは、誰かの役に立っていて、誰かのためになっているからだ。
たとえば、パン屋さんが焼いたパンは、お客さんの食卓に笑顔を届けているし、医師が患者を診ることで、健康を取り戻す助けになっている。
一見、直接人と関わらない仕事でも、その成果は、必ずどこかで、誰かの助けや喜びにつながっているのだ。
皆さんも、仕事でお客様や同僚から、「ありがとう」と、言われた経験があるだろう。
その瞬間、達成感や、やりがいを感じたはずだ。
人は、誰かに感謝されたり、喜ばれたりすることで、自分の存在価値を実感している。
この感覚が、仕事を続ける原動力となっている。
また、人に喜んでもらうことは、自己成長にもつながっている。
なぜなら、相手の期待に応えるため、スキルを磨いたり、新しいことに挑戦したりするからである。
そうした努力は、自分を成長させ、さらに多くの人に、貢献できるようになる。
結局のところ、働くことで得られるのは、単なる収入や地位だけでは無いのだ。
自分の仕事が、誰かの幸せにつながる瞬間が、働く本当の意味であり、最も価値のあるものだと思うのだ。
だからこそ、吾輩にとって、「人に喜んでもらうため」に働くことが、最も大切な理由と思っている。
働くことの意義と楽しさ
皆さんが、これから「働く」という経験を通じ、たくさんの学びや発見が、あることだろう。
でも、ふとした瞬間に「なんで働くんだろう?」と考えることも、あるかもしれない。
吾輩が考える働く理由とは、「人に喜んでもらうため」である。
自分の仕事が誰かの役に立ち、その人の「笑顔」や「ありがとう」という言葉に触れる時こそ、最もやりがいを感じる瞬間だ。
この喜びこそが、働くことの本当の意味であり、楽しさの源だと信じている。
ここでは、働く中で、その意義や楽しさを感じられる事例について、3つあげてみた。
事例1:販売員の笑顔と接客
ある店舗の販売員が、商品選びに悩んでいるお客様に、丁寧に対応しました。
お客様は、「あなたのおかげで、素敵なプレゼントが選べた」と感謝して帰られました。
後日、そのお客様が再び来店し、笑顔で「プレゼントがすごく喜ばれたよ!」と伝えてくれたそうです。
このように、自分の対応が、誰かの思い出や喜びを、サポートすることに繋がるのです。
事例2:システムエンジニアのサポート
あるシステムエンジニアが、企業のトラブル対応で、迅速に解決策を提供しました。
困っていた社員から「本当に助かった!業務が再開できて安心した」と言われ、感謝されました。
直接的な感謝がなくても、自分の仕事が、他の人の業務効率や、安心感を支えていると知るだけで、大きな達成感が得られます。
事例3:工場で働く職人の技術
ある工場の職人が、商品を丁寧に作り上げました。
その商品が、市場に出回り、消費者から「この商品は、質が良くて大好き!」というレビューが届きました。
普段は、裏方の仕事でも、最終的に、消費者の満足や喜びに、繋がっていると実感できる場面です。
このように、仕事を通じて、誰かに喜びを届けることができると、それが自分自身のエネルギーとなるのだ。
まとめ
皆さんは、最初のうちは「自分の仕事の価値が見えにくい」と感じることが、あるかもしれない。
しかし、どんな仕事にも、必ず「誰かのために役立っている」部分がある。
自分の役割を果たすことで、お客様や仲間、さらには社会全体に、喜びや安心を届けているのである。
その瞬間を見逃さず、小さな成功や感謝の言葉を、大切にしてほしい。
それが仕事の楽しさや意義を、実感するきっかけになるはずだ。
働く中で、ぜひ「自分が誰を笑顔にしているのか」「自分の仕事がどう人を助けているのか」、自分の仕事の価値を意識してみてほしい。
そうすることで、仕事が単なる作業ではなく、人とのつながりを生む、大切な活動だと気づくはずだ。
皆さんの、人を喜ばすことが出来る仕事には、価値がある。
これからの、皆さんの成長と活躍を、心から応援したい。