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【イチゴの主役交代か?】「とちおとめ」と「とちあいか」の違いについて。

いちご ニュース

先日、某所のスーパーに買い物に行った時のことだ。

イチゴは、旬をむかえると、入口からすぐ入った所の人目につきやすい場所に、陳列されているのが常だが、最近(3月上旬くらい)、「とちおとめ」が突如、姿を消してしまったのだ。

「とちおとめ」は言わずと知れた、「イチゴの東日本シェアーNO.1」の果物だ。

一体どうしてしまったのか?

気になり探ってみたので紹介しよう。

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「とちおとめ」とは

「とちおとめ」は、1996年(平成8年)に品種登録されており、日本でもっとも多く栽培されている、栃木県産のイチゴだ。

旬(出回り時期)は、10月~6月。

主に関東から東北を中心に栽培されているので、西日本の方では、あまりなじみがないかもしれない。

「とちおとめ」の特長

  • 果形は均整のとれた円錐形で、果色は鮮赤色で光沢があり、業務用の適性が高い。
  • 果実の糖度は9~10%と高く、酸度は 0.7%程度と低いため糖酸比が高く、果肉は緻密・多汁質で食味は極めて良い。
  • 果実の大きさは、頂花房の頂果で30~40gあり、平均果重で15g程度である。
  • 収量性は高く安定しており、促成栽培の適応性が高い。
  • 休眠は浅く、早生で、短日や低温等の花芽分化促進処理に良く反応し花芽分化が早まる。
引用元:栃木県農業試験場 いちご研究所

特徴としては、糖度は10度前後と高めで、ほどよい酸味がり、甘さと酸味のバランスが絶妙。

大きさは平均よりも大粒で、食べ応えもあり、果汁も豊富だ。

また、果実は鮮やかな赤色をしていて、光沢もあり、ヘタの部分は白く、そのコントラストは「ザ・イチゴ」と言って良いだろう。

価格もお手頃で、思わず手が伸びてしまう。

「とちあいか」とは

2018年(平成30年)に品種登録されたまだ新しい品種で、2020年(令和2年)から栽培が開始された栃木県産のイチゴだ。

旬(出回り時期)は、10月~6月。

「とちあいか」の特長

・草姿は立性で「とちおとめ」に比べ草勢は強く、厳寒期の生育も旺盛。
・開花が「とちおとめ」に比べ開花始期は 6~13 日、収穫始期は 10~19 日早い。
・収量は「とちおとめ」より 30~40%程度多い。
・果形はハート形で、平均一果重は 20g程度と「とちおとめ」の 16gに比べて大きい。
・果皮色は「とちおとめ」よりも赤味が強い鮮赤色で光沢は同程度に優れる。
・果汁に富み、糖度は「とちおとめ」並で、酸度はやや低く良食味で、果皮硬度は硬い。
・萎黄病に対して高い耐病性を有する。
・先端障害果(先つまり果、先青果、先白果)が一時的に多発する場合がある。

引用元:栃木県農業試験場 いちご研究所

令和4年産は、「とちおとめ」と比べ、10aあたりの収量及び販売金額が3割多くとれているとの事。

果実の形は、イチゴの代名詞の様なきれいな三角形で、しかもその断面がハート型ときたら、人気が出ないわけが無いだろう。

さらには、赤みが強く鮮やかな赤色をしていて、果汁も豊富だ。

糖度は、「とちおとめ」と同等程度だが、酸味が「とちおとめ」よりもおさえられているので、甘く感じられる。

栃木県「いちご王国」の戦略

栃木県は、栃木県農業試験場いちご研究所で、およそ7年という歳月を費やして開発した「とちあいか」を2022年10月に、栃木県の主力品種にするための生産戦略を打ち出している。

理由はいくつかあるようだが、いくつかをあげてみよう。

  1. 実が大きく収量が「とちおとめ」よりも1.3倍高いため、農家の売り上げアップが期待できる。
  2. 病気に強く農家が安心して育てられる。
  3. 実の表面が硬く傷みにくいため、長距離輸送にも向いており販路の拡大につながる。
  4. 実が崩れにくいため、スイーツの飾りつけなどにも利用されやすく、需要が期待される。
  5. 甘みが強く酸味がおさえられているので、老若男女を問わず幅広く人気がある。

2022年(令和4年)では、栃木県内のいちごの栽培面積は、81%を「とちおとめ」が占め、「とちあいか」は10%程度だが、5年後の2027年(令和9年)にはその割合を逆転させ、「とちあいか」の栽培面積を80%まで伸ばそうとしているとの事。

ちなみに、イチゴの栽培面積について、JA全農とちぎが調査したところによると「とちおとめ」は、令和5年産が68%、令和6年産は40%となっているが、一方「とちあいか」は、令和5年産が27%、令和6年産は55%となり、ついに「とちおとめ」の栽培面積を上回ることになった。

品種ごとの栽培面積の割合は以下の表の通り。

品種名2022年
(令和4年)
2023年
(令和5年)
2024年
(令和6年)
とちおとめ81%68%40%
とちあいか10%27%55%

この様に、栃木県では、「いちご王国・栃木」の主役のバトンタッチを、図ろうとしているようだ。

まとめ

栃木県では、「とちあいか」を、県をあげて主役のバトンタッチを図っているので、栽培面積は計画通りに増えていくだろう。

イチゴ農家は、栽培面積を増やせば収量が増え、収益もアップして良いかもしれないが、「とちおとめ」ファンからすると、店頭から消えて無くなってしまうのは残念で仕方がない。

甘さと酸っぱさが絶妙な「とちおとめ」は、そのまま食べるのも良し、練乳や、ハチミツなどを加えて、より複雑な味わいを楽しむのも良し。

どんな食べ方をしてもおいしいイチゴとして、最高だと思うのは、吾輩だけだろうか?

ちなみに吾輩の好きなアレンジは、甘酒と「とちおとめ」をミキサーにかけて、スムージーの様にしてグラスに注いで「ゴクゴク」いただくのだが、甘酒の甘みとトロっとした舌触り、そしてイチゴの香りと酸味が相まって、何とも言えぬ美味しさである。

是非お試しあれ。絶品です。

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