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【みどりの窓口が大混雑】人手不足が招くデジタル化が原因か?求められる利用者への対応

みどりの窓口 ニュース

盆、正月、大型連休などでは新幹線を利用するケースも多い事だろう。

吾輩も、以前は車での移動が多かったので高速道路を利用する事が多かったが、最近は長距離の車の運転が少々苦痛に感じる様になってきて、新幹線を利用するケースも多くなった。

当然切符を買う必要があるわけだが、吾輩は、券売機で往復分の切符を購入するようにしている。

なぜならば、「みどりの窓口」が混雑しているからだ。

特に、休日前の金曜日や休日最終日の夕方の時間帯は、繁忙期でなくても「みどりの窓口」は混雑している。

コロナ禍が明けて、旅行需要が回復してくるなか、「みどりの窓口」が激減し窓口が大混雑しているという。

JR東日本は、「みどりの窓口」の削減を2021年に発表し、現在までに半数以上減っているという。

今年7月にJR東日本は、お盆の繁忙期に計50駅で窓口を再開・増設すると発表したようだが、「みどりの窓口」混雑問題は深刻のようで、繁忙期には1時間待ちは当たり前の様だ。

吾輩もそうだが、ICカード乗車券を利用しているので、切符など購入することは皆無だが、新幹線や在来線の特急列車に乗るときは、切符を購入する必要がある。

吾輩も最初は、切符の購入はJRの駅の「みどりの窓口」だったが、待ち時間が長く予定の時刻に目的地に着かない恐れがあるので、券売機で買うようにしたのだ。

高齢者にとって券売機やオンラインでの切符購入は、ハードルが高いようで、どうしても「みどりの窓口」の対面での購入に頼ってしまうのだろう。

そんなこともあり、今回は「みどりの窓口」の混雑の理由とその対策、そしてJR各社が推進している混雑防止対策について見ていきたい。

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「みどりの窓口」とは

「みどりの窓口」は、1965年に誕生し、その頃の通常の切符の色が赤や青だったことに対して、グリーン車も含めた指定席券の色が「緑色」だったことが由来で、この色から「みどりの窓口」と名付けられたとのこと。

今現在は、「みどりの窓口」で発券される切符の色は、そのほとんどが水色に近い色をしているが、「みどりの窓口」が誕生した当時は、黄緑色に近い色だったっそう。

1964年に東海道新幹線が開通すると、その需要が高まると共に新幹線に接続する特急や急行も急増し、列車の指定席の発売に関して、「台帳管理方式」から「オンライン発券方式」へと転換が必要になり、まさにこのタイミングで1965年に「みどりの窓口」が誕生したのだ。

そしてこの時、国鉄と日立製作所の共同でコンピューターによる管理システムが開発されたのが「マルスシステム」だという。

新幹線の予約システムが台帳管理方式からマルスシステムに移行した背景には、以下のような経緯がある。

台帳管理方式の限界

新幹線が開業した1964年当時、座席予約は手作業で行われていた。

これは、乗車券の販売データや座席の予約状況を台帳に記録する方式で、特定の座席が予約されると、その情報を駅員が手作業で更新していた。

しかし、新幹線の利用者数が増加するにつれて、手作業では処理が追いつかなくなり、以下のような問題が顕在化した。

  1. 処理の遅さ: 台帳管理では、予約の照会や更新に時間がかかり、利用者に迅速なサービスを提供するのが難しくなっていた。
  2. 人的エラー: 手作業での記録更新には誤りが生じやすく、二重予約や予約漏れなどの問題が発生していた。
  3. 全国対応の困難さ: 各駅で管理される台帳方式では、全国的に一元化された座席管理が難しく、他の地域からの予約や変更に対応するのが複雑であった。

「マルスシステム」の開発

これらの問題を解決するため、鉄道業界では自動化された予約システムの必要性が高まった。

その結果、日本国有鉄道(国鉄、現在のJR)は、全国的に座席の予約・販売を一元管理できるシステムの開発を進めたこのシステムが「マルスシステム(MARS, Multi Access Reservation System)」である。

開発の経緯

  1. 企画・設計: 1960年代初頭に国鉄は、手作業の限界を補うための予約システムの自動化に着手した。

    新幹線の開業を見据えて、全国の座席予約を一元管理できるシステムとしてマルスの基本設計が行われた。
  2. 導入・試験: 1964年、新幹線の開業に合わせて、最初のマルスシステムが東京駅などに導入された。

    このシステムは、主に大都市圏の新幹線予約に対応するもので、電気機械による予約の自動処理が可能となり、短時間で全国の座席状況を把握できるようになった。
  3. 改良と普及: 初期のマルスシステムは、その後も改良が加えられ、より高性能なシステムに進化した。

    また、新幹線以外の在来線にも適用範囲が拡大され、全国の鉄道網全体で一貫した予約システムが構築された。

「マルスシステム」の特徴

マルスシステムは、リアルタイムで全国の座席予約状況を管理することが可能で、予約の一元化、自動化によって効率的なサービス提供を実現した。

また、コンピュータの処理能力向上に伴い、より複雑な予約管理やデータ処理が可能となり、鉄道利用者に迅速かつ正確な予約サービスを提供している。

このようにして、マルスシステムは、日本の鉄道予約システムの標準となり、今日に至るまで改良・発展を続けている。

国鉄

「国鉄」とは、日本国有鉄道の略で、国家が保有または経営する鉄道事業のことを言う。

「国鉄」が発足する以前の国有鉄道事業は、鉄道が開業した1872年10月14日(明治5年9月12日(旧暦))の、「新橋駅(のちの汐留駅)ー 横浜駅(現:桜木町駅)」間以来、国営事業として「鉄道省」などの政府官庁によって経営されていた。

国営事業として運輸省鉄道総局が国の「国有鉄道事業特別会計」によって行っていた国有鉄道事業およびその関連事業を引き継ぎ、国有鉄道を独立採算制の公共事業として経営することを目的に、「国鉄」は、1949年(昭和24年)6月1日に発足したとのこと。

日本における「国鉄」とは、日本国有鉄道法に基づき日本の国有鉄道を運営していた事業体で、経営形態は政府が100%出資する公社(特殊法人)で、三公社(日本専売公社、日本電信電話公社、日本国有鉄道)のひとつであった。

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国鉄の分割民営化に至る経緯

1. 1949年:日本国有鉄道(国鉄)の発足

  • 第二次世界大戦後、鉄道省を解体し、独立した特殊法人として日本国有鉄道(国鉄)が発足される。
  • この時、国鉄は全国の鉄道網を一括して管理・運営する組織として設立される。

2. 1950年代〜1960年代:国鉄の黄金時代

  • 経済成長とともに鉄道の需要が増加し、国鉄は好調な運営を続ける。
  • 1964年には、東京オリンピックに合わせて東海道新幹線が開業し、世界初の高速鉄道として大成功を収めた。

戦後の日本における基幹的輸送機関としての役割を果たしてきた。

3. 1970年代:経営の悪化

  • 1970年代に入ると、モータリゼーションの進展や航空機の普及により、鉄道の利用者が減少し始めた。

産業構造の変化や国民の所得水準の向上に伴い、自動車、航空等との競争が激化し、国鉄が持っていた他の交通機関に対する優位性は、旅客、貨物ともに急速に失われた。

  • 国鉄は赤字経営に転じ、累積債務が膨らんでいく。

昭和55年度以降は、毎年、国から数千億円の補助金等を受け入れた上で、なお1兆円以上の赤字を計上し続け、実質的に経営破綻に陥っていた。

4. 1980年:再建計画の策定

  • 国鉄の経営危機を受け、政府は「国鉄再建計画」を策定した。
  • この計画には、路線の廃止や運賃の値上げ、人員削減などが含まれていたが、大きな効果は得られなかった。
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5. 1982年:第二次臨時行政調査会の設置

  • 鈴木善幸内閣の下、第二次臨時行政調査会(通称「臨調」)が設置された。
  • 臨調は、国鉄の分割民営化を含む大規模な行政改革を提案した。

6. 1985年:国鉄改革法案の成立

  • 中曽根康弘内閣の下、国鉄改革法案が成立した。
  • この法案により、国鉄を分割して民営化する方針が正式に決定された。

昭和60年7月に、国鉄の鉄道事業を6つの旅客会社と1つの貨物会社に分割するとともに、民営化することを内容とする意見を取りまとめた。

7. 1987年4月1日:国鉄の分割民営化

  • 国鉄は6つの地域別旅客鉄道会社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)と、貨物鉄道会社(JR貨物)に分割された。
  • これらの会社は「JRグループ」として運営され、正式に民営化が行われた。

昭和61年に国鉄改革関連8法案が国会に提出され、昭和62年4月に国鉄の分割民営化が実施された。

8. その後:JRグループの発展

  • JR各社は、経営の自由度が高まり、効率的な運営が可能となった。
  • 特に、JR東日本やJR東海は大きな利益を上げる企業へと成長した。

国鉄の分割民営化は、当時の日本における最大級の行政改革の一環として行われ、成功した事例とされている。

国鉄の分割民営化に至る経緯  

引用元:国土交通省鉄道局 「国鉄の分割民営化から30年を迎えて」

国鉄の分割民営化の概要

引用元:国土交通省鉄道局 「国鉄の分割民営化から30年を迎えて」
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「みどりの窓口」混雑の原因と対応策

「みどりの窓口」での混雑は、さまざまな要因が絡み合っており、その原因と対応策については以下の通り。

混雑の原因

  1. 旅行需要の増加: 旅行シーズンや連休期間中は、多くの人が一斉に移動するため、切符購入や予約変更を行う人が集中する

    このようなピーク時には、マルスシステムを使った予約操作自体が迅速でも、窓口での対面対応に時間がかかるため、混雑が発生しやすくなる。
  2. 複雑な手続きの増加: 乗車券や特急券の購入に加え、旅行プランの相談や変更、複数区間の予約など、複雑な手続きが求められるケースもある。

    これらの手続きには詳細な確認作業が必要であり、一人の顧客に対する対応時間が長くなることが、窓口の滞留を引き起こす要因となる。
  3. デジタルリテラシーの差: 最近では、スマートフォンやインターネットを使ってオンラインで切符を購入する人が増えているが、高齢者をはじめとする一部の人々は、これらのデジタルツールを使いこなすのが難しいため、直接窓口での購入を選ぶ傾向がある

    これにより、窓口の利用者が集中する。
  4. 人手不足: 鉄道会社では、窓口の業務を担当するスタッフの確保が難しい状況もある。

    これは労働市場の変化や人件費の抑制によるものであり、結果として、窓口の対応力が不足し、混雑につながっている可能性がある。

対応策

  1. オンライン予約の促進: 鉄道会社は、スマートフォンアプリやウェブサイトでの切符予約・購入をより一層促進している。

    これにより、窓口に依存せずに手続きが完了する利用者が増え、窓口の混雑が緩和されることが期待される。

    特に、新幹線の予約や変更が簡単にできる「エクスプレス予約」や「スマートEX」のようなサービスが普及しており、これらの利用を推奨する施策が取られている。
  2. 自動券売機の増設と改善: より多くの人が自動券売機を利用できるよう、使いやすさの向上や機能の充実が図られている。

    多言語対応や、複雑な操作を簡略化するなど、利用者の幅広いニーズに応える取り組みが進められている。
  3. スタッフの増員や配置転換: 窓口の混雑が予想されるピーク時には、臨時スタッフの増員や、他の部署からのスタッフの応援を行うことが考えられる。

    また、AIやチャットボットを活用した予約支援なども、人手不足を補う手段として検討されている。
  4. 窓口業務の効率化: 窓口での業務を効率化するため、事前に必要な情報をオンラインで入力できる仕組みや、シンプルな手続きの自動化が進められている。

    これにより、複雑な手続きを行う利用者に対する対応時間を短縮し、全体的な待ち時間を減らすことが目指されている。

今後の展望

混雑の問題を解消するためには、デジタル化のさらなる推進と、それに対応する利用者教育、そして効率的な窓口業務の改善が必要となるだろう。

また、人手不足が顕著な場合、スタッフの負担軽減と効率化を両立させるための技術的な支援も重要になるだろう。

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JR各社の具体的な混雑防止策

1. オンライン予約システムの強化

  • エクスプレス予約/スマートEX: JR東海・JR西日本が提供する「エクスプレス予約」「スマートEX」は、スマートフォンやパソコンから新幹線の座席予約や変更ができるオンラインサービスである。

    クレジットカードを登録することで、切符の購入や予約の変更を簡単に行うことができ、駅の窓口に行く必要がない。

    また、予約したきっぷをモバイルSuicaや交通系ICカードでタッチするだけで乗車できる「タッチでGo!」サービスも提供されている。
引用元:エクスプレス予約 新幹線の会員制ネット予約
引用元:「スマートEX」気軽にネット予約で新幹線を利用するなら!
引用元:タッチでGo!新幹線:JR東日本
  • JR東日本の「えきねっと」: JR東日本の「えきねっと」は、新幹線を含む各種列車の予約・購入ができるオンラインサービスである。

    モバイルチケットサービスに対応しており、予約したきっぷをスマートフォンで表示し、そのまま乗車できる仕組みが導入されている。
引用元:えきねっと(JR東日本)|トップ:新幹線・JR特急列車の …

2. モバイルアプリの普及

  • JR各社の公式アプリ: JR各社は、公式アプリを提供し、スマートフォンから新幹線の予約・変更ができる機能を充実させている。

    これにより、利用者はいつでもどこでも予約や変更ができ、駅に行く手間を省くことができる。

    また、リアルタイムで空席情報を確認できるため、窓口や券売機の利用を避けることが可能である。
  • モバイルSuicaアプリ(JR東日本): JR東日本では、モバイルSuicaアプリを使って新幹線のチケットを購入し、そのまま改札を通ることができる。

    このアプリを利用することで、物理的なチケットの発行や受け取りが不要となり、窓口の混雑を軽減できる。

3. 自動券売機の進化

  • マルチ機能券売機: 各駅に設置されているマルチ機能券売機は、新幹線の予約・変更だけでなく、払い戻しや発券も可能な自動券売機である。

    特にピーク時には、窓口に並ばずに自動券売機を利用することで、混雑を回避できる。

    これらの券売機は、多言語対応や操作ガイド機能も充実しており、誰でも簡単に利用できるようになっている。

4. QRコード・ICカードの活用

  • モバイルチケットの普及: 予約した新幹線チケットをQRコードやICカードで利用するシステムが普及している。

    例えば、スマートEXやエクスプレス予約を利用して予約したチケットを、スマートフォンのQRコードやSuicaなどのICカードで改札機にかざすだけで乗車できる仕組みが整備されている。

    これにより、物理的なチケットを受け取るために窓口に行く必要がなくなり、窓口の混雑を軽減できる。

5. AI・チャットボットの導入

  • AIチャットボットサービス: JR各社では、予約に関する質問やトラブルをオンラインで解決するためのAIチャットボットサービスを導入している。

    利用者は、24時間いつでも質問に答えてもらえるため、窓口に依存せずに問題解決が可能となる。

6. キャッシュレス決済の推進

  • キャッシュレス決済対応: 切符の購入や予約の際に、クレジットカードやQRコード決済、電子マネーなどのキャッシュレス決済を推進している。

    これにより、現金のやり取りが不要となり、窓口での対応がスムーズになっている。
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まとめ

この様にJR各社では「みどりの窓口」の混雑防止に向けて、これらのデジタル化施策を行っており、これらの施策は、利用者が物理的に駅に行かなくても、新幹線の予約・変更・購入ができるようにすることを目的としている。

これにより「みどりの窓口」の混雑を緩和し、利用者の利便性を高めることが期待されているが、利用者に対するJR側の親切丁寧なアナウンスや、現地での対応など利用者に対する支援体制も必要だと感じる。

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